武漢大学によると、同大学の共同チームがウイルス陽性検出率を大幅に高めることができるナノ孔ターゲットシーケンス検査方法を開発した。同検査方法はまた当日中に同時に新型コロナウイルスとその他の10種の一般的なウイルス性呼吸器感染症の検査を行い、ウイルスの突然変異を観測でき、臨床上の疑いのある患者の診断確定の問題を効果的に解消することにつながる。人民日報が伝えた。
説明によると、従来の新型コロナウイルス診断はPCR検査に依存していた。しかしこの方法は偽陰性が出る可能性が高い上、感度が低く、陽性検出率は30−50%にとどまる。そのため臨床上、新型コロナウイルスの感染の疑いが強い患者やウイルス潜伏中の完治したかに見える患者の偽陰性が多発している。またPCR検査では秋・冬に多発する、症状が新型コロナウイルスに似ているその他のウイルス性呼吸器感染症の検査を同時に行うことができない。感染症対策と患者の区別ある管理に大きな挑戦をもたらしている。
武漢大学薬学院教授の劉天罡氏、武漢大学人民病院教授の李艶氏、余鋰鐳氏、武漢臻熙医学検査実験室有限公司責任者の付愛思博士らでつくる共同実験室が、ナノ孔ターゲットシーケンス検査方法を開発した。劉氏は「PCR検査は狙撃銃でサンプルのウイルス拡散を狙い撃ちするようなもので、命中しない場合もある。新しい方法は十数枚の網を投げ入れ、ウイルス核酸を捕まえる確率が大きく上昇する。また捕まえると同時に配列を読み取ることができる。サンプル採取から結果が出るまでの時間は6−10時間。シーケンスから4時間内の高感度・高精度の新型コロナウイルス検査を初めて実現した」と述べた。
また新たな検査方法は、その他10種の呼吸器系ウイルス(ジカウイルス、ライノウイルス、ヒトメタニューモウイルス、RSウイルス、コロナウイルス、アデノウイルス、パラインフルエンザウイルス、A型インフルエンザウイルス、B型インフルエンザウイルス、C型インフルエンザウイルス)の検査を行える。分類管理がしやすく、速やかに診療プランを立てられる。説明によると、この検査方法にはさらに、ウイルスの突然変異をモニタリングできるというメリットがある。感染情況のモニタリングに説明可能な、リアルタイムの疫学情報を提供できる。この技術に必要なナノ孔シーケンスプラットフォームは実験室で構築しやすく、病院及びCDCなどの実験室での展開に適している。(編集YF)
「人民網日本語版」2020年3月4日