また中国の経済成長を牽引する「トロイカ」(投資、消費、対外貿易)のうち、消費と投資がすでに絶対的な主力であり、経済を駆動する要因は内需が主導しており、たとえ純輸出の寄与度が低下しても、中国経済の基本的側面に対して実質的な変化を起こすこともあり得ない。
中国恒大集団の任沢平チーフエコノミストは、「需要への打撃よりも、供給チェーンの断裂がグローバル経済によりマイナスの影響を与えることになる。懸念されるのは、『延焼』が続くグローバル供給チェーンの危機だ。最近、中国が企業活動と生産活動を秩序をもって再開するようになったのにともない、問題の中心は海外に移りつつある」と述べた。
任氏は目下、感染状況が深刻な日本と韓国を例に挙げて、「両国は産業チェーンの重要な一環であり、2018年の半導体材料市場における売上高は計164億1千万ドル(1ドルは約107.3円)に、半導体設備市場での売上高は計271億8千万ドルに達した。感染状況の悪化が世界に半導体材料の不足、コア部品の不足、製造コストの上昇といった大きな打撃をもたらし、中国への波及も予想される」と述べた。
しかし危機の中にはチャンスも内包される。感染が広がる中、中国の関連産業がモデル転換・高度化の歩みを加速させられるか、自主供給チェーンの配置を強化できるかが、危機をチャンスに変えるためのカギになる。
海外での感染拡大がもたらす「2回目の打撃」に直面して、ウォッチャーの間には、「中国は経済活性化の規模を適宜拡大することが可能だが、政策の制定はより理性的で、持続可能な高い品質の成長を追求するものでなければならない」との見方が広がる。
インフラ建設を例にすると、これまで経済活性化政策の中心だった。特に感染症が短期的に消費を抑制する状況の中、インフラ建設投資によって内需を拡大することの重要性がますます明らかになった。
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