浙江大学医学院の郭国驥教授が率いるチームが独自開発した分析プラットフォームを利用し、胚と成年という2つの時期を跨ぐ、8大システムをカバーするヒト細胞マップを描き出した。同成果は26日、ネイチャー誌(電子版)に掲載された。新華網が伝えた。
研究チームは60種の人体組織サンプル及び7種の細胞培養サンプルに対して高スループット単細胞シーケンス解析を行った。胚と成年という2つの時期を跨ぐ、8大システムをカバーするヒト細胞マップを体系的に描き出した。70万個以上の単細胞のトランスクリプトームデータバンクを構築し、人体の細胞大分類100種以上・サブタイプ800種以上を鑑定し、単細胞比較対象システムを開発するとともに、ヒト細胞青写真ウェブサイトを構築した。
郭氏のチームは独自開発した単細胞分析プラットフォームに基づき、60種の人体組織サンプル及び7種の細胞培養サンプルの高スループット単細胞シーケンス解析を行った。郭氏は「この取り組みを簡潔に言えば、ヒトの細胞のデジタル化だ。我々はデータマトリックスによりすべての細胞の特徴を描写するとともに、体系的に分類することができる。我々の研究は未知の細胞の種類を定義し、特殊な遺伝子発現パターンを観察した」と説明した。チームはこのマップにより、成人の複数種の上皮・内皮・間質細胞が組織の中で免疫細胞の役割を果たしているかもしれないことを発見した。また時期・組織・種を跨ぐ細胞マップ分析によりチームは、細胞分化は混乱から秩序有る状態に変化するプロセスを踏まえるという普遍性のある哺乳類の細胞運命決定メカニズムを明らかにした。
この研究は初めて単細胞レベルから全面的に胚及び成年のヒト細胞の種類を分析した。研究データは細胞の運命決定メカニズムを模索する資源の宝庫になる。研究方法はヒトの正常な細胞と疾患細胞の状態の鑑定に深い影響を及ぼす。臨床医は将来的に細胞マップデータの比較により異常な細胞状態や起源を判別できるようになる。(編集YF)
「人民網日本語版」2020年3月27日