IMF、「中国経済に正常化の兆候」

人民網日本語版 2020年03月24日11:12

国際通貨基金(IMF)が現地時間今月20日に発表した文章「新型コロナウイルスの影響緩和と困難な選択:現時点で中国の経験から学べること」は、新型コロナウイルスの感染拡大が経済に深刻な打撃を与えており、その面での中国の経験は、適切な政策は拡大防止対策とその影響の緩和の両方に効果を発揮することを示していると指摘している。そして、中国の企業が操業や営業を再開し、従業員の出勤が次第に再開するなど、経済正常化の兆候が見られてきており心強いとしている。人民日報が伝えた。

同文章によると、新型コロナウイルスの感染拡大は、世界経済に甚大かつ深刻な打撃を与えており、それを封じ込めるためには、経済活動の減速という代価を支払わなければならない。中国は直ちに、最も脆弱な層への支援提供を行う対策を講じ、感染拡大防止対策の経済に与える打撃を効果的に軽減した。

同文章の筆頭著者で、IMFのアジア太平洋局の局長補を務め、中国事務を統括するヘルゲ・バーガー氏は取材に対して、「中国政府は迅速に反応して、新型コロナウイルスへの感染拡大対策を講じ、その経済に対する影響を軽減し、経済の回復をサポートしている。中国の経験は参考にする価値がある」と語った。

バーガー氏は、「新型コロナウイルスの感染拡大は、第1四半期(1-3月)の経済活動に直接影響を与え、突然停止させた。しかし、IMFのクリスタリナ・ゲオルギエバ専務理事がたびたび言及しているように、中国経済は、非常に強靭性があり、政府の政策サポートが功を奏して、中国経済は現在、正常な軌道へと戻りつつある」との見方を示した。

IMFによると、中国政府は、脆弱な世帯を支援対象としているほか、社会保障負担の免除や、フィンテック企業を通じた融資提供など、小企業に救いの手を差し伸べるための新たな方法を探っている。その他、中国の関連当局も、補助金付き融資を迅速に準備し、医療器具製造など感染拡大対策にとって重要な活動の拡大を支援した。また金融市場の安定を守るために、中国人民銀行(中央銀行)が早期に介入して、銀行間取引市場を支え、切迫した状況にある企業に資金援助を提供しつつ、人民元を外的圧力に適応させた。その他、感染拡大の影響を受けた債務者に協力するよう銀行に助言したり、中国人民銀行の提供する特別資金により小企業向け融資を行うインセンティブを銀行に与えたり、対象銀行を絞った上で預金準備率を引き下げるなどして、市場の流動性と安定性を守っている。

バーガー氏は、「中国では、大企業の大半が事業再開を発表し、多くの従業員が職場に戻るなど、経済正常化の兆候が見られてきており心強い。感染拡大が食い止められるにつれて、中国の政策は経済の回復サポートへと舵が切られている。それは、感染拡大の影響を軽減することに重きを置いており、強力なマクロ経済的サポートを提供している。方向性を定めた財政、金融政策を通して、経済の回復と再開を促進しており、それは正しい方法だ」と評価する。

バーガー氏はまた、「私たちは中国が力強く回復することを期待している。そうなれば、パンデミックの世界経済に与える影響を軽減することができるだろう。この世界的問題を解決する重要な方法は国際協力だ。IMFは各国に対して、さまざまな面での世界協力を展開し、共にウイルスと闘うよう呼び掛けている。中国はこの面で重要な役割を果たすことができる」との見方を示す。

しかし、IMFは、パンデミックは現在進行形で、世界金融市場は揺れ動いており、それは中国経済の回復にとって足かせとなりかねないと指摘する。そのため、バーガー氏は、「中国の政策当局者は、警戒を維持し、必要に応じてすでに制定している計画にマクロ経済のサポートを提供できるよう、あらかじめ備えておかねばならない」と提言している。(編集KN)

「人民網日本語版」2020年3月24日

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