感染症の試練に直面、グローバル化はどこへ向かうか

人民網日本語版 2020年03月31日10:34

世界保健機関(WHO)が27日に発表したデータによると、新型コロナウイルスによる肺炎は現在201ヶ国・地域に広がり、世界に影響を及ぼしている。新華網が伝えた。

アナリストは、「今回の感染症はグローバル化が深化を続ける背景の下で爆発的に増加し、グローバル化プロセスにとって重大な試練だといえる。グローバル化は不可逆の歴史的な流れであり、各国は世界的な問題に対処する際の協調協力を強化し、グローバルガバナンスシステムを整備しなければならない。この過程で、中国が提起した人類の運命共同体の理念がこれから重要な役割を発揮するだろう」と指摘した。

感染症の試練に直面

米国のジョンズ・ホプキンス大学が発表した最新のデータでは、現在、世界の感染者は60万人を超える。人が世界規模で頻繁に往来することなどがウイルスの急速な感染拡大の重要な原因となり、世界に広がる産業チェーンも感染症が経済に与える打撃をより多くの国へ波及させる。感染症はグローバル化がもたらすリスクを露呈し、グローバル化プロセスは試練に直面している。

ハーバード大学のスティーブン・ウォルト教授(国際関係)は、「感染症は国家主義と民族主義を増大させる可能性もある。同時に、グローバル化の時代の中で深刻な感染症に効果的に対処するにはどうすればよいかは、グローバルガバナンスシステムにとっての試練でもある。新型コロナウイルスの襲来に直面して、各国の反応は様々で、対策の効果にも大きな開きがある。このように各国間の足並みがそろっていないことが、世界的な公衆衛生上の危機に対処することをより一層難しくしている」と警告した。

米コロンビア大学のロバート・ジャーヴィス教授(国際関係論)は、「人々は後で振り返った時に、真の問題は各国の間に効果的な国際協力が形成されなかったことだとわかるだろう」と述べた。ロシア戦略発展基金専門家委員会のイゴール・シャトロフ会長は、「一部の国はグローバル化の問題をめぐって『自国だけで動き』、危機に遭遇した時に、他国との相互支援や協力が不十分だった。これは自国にとっても他国にとってもマイナスだ」との見方を示した。

グローバル化の流れはとどめることができない

専門家によると、「グローバル化はとどめることのできない歴史的な流れであり、このたびの感染症で一連の挫折に見舞われる可能性があるが、前進の歩みが止まることはない」という。

ジャーヴィス氏は、「この感染症により世界各国は短期的には自国の問題により注目するかもしれないが、グローバル化によって形成された産業分業の優位性は明らかであり、今はまだ感染症がグローバル化の明らかな後退をもたらすとは断言できない」と述べた。

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