米国原油先物の「マイナス価格」とは?

人民網日本語版 2020年04月22日08:48

国際市場の原油価格が新記録を打ち立てた。現地時間の4月20日、米ニューヨーク原油先物市場でWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)原油先物価格が暴落して過去最低を更新するとともに、史上初めてマイナス価格に陥った。

原油先物価格がマイナスになるということは、原油を原油精製場まで輸送するか、貯蔵するためのコストが原油自体の価格を上回るということを意味し、多くの中小石油企業は破産リスクに直面する可能性がある。

メディアの報道によると、米国では新型コロナウイルスの感染拡大でインフラ、交通、物流が滞るといった問題が発生し、原油の輸送や貯蔵が難しくなった。純粋に経済性だけを考えて油井を閉鎖して生産を停止することにはリスクがあるため、生産は続けなければならない。貯蔵施設の容量が十分でなかったり貯蔵コストが高すぎたりすれば、メーカーはマイナス価格を引き受け損失を出してでも、バイヤーに石油を買ってもらわなければならない。

しかしここではっきりさせておかなければならないのは、マイナス価格になったからといって、これから無料でガソリンを給油できてさらにキャッシュバックがあるということではない。マイナス価格になったのはもうすぐ期日を迎える期近5月物だけであり、原油の現物価格ではない。また期近6月物の取引価格は20ドル(1ドルは約107.4円)以上の水準を維持し、英国・ロンドン市場のブレント原油先物も現在は25ドル以上で取引されている。

市場の反応をみると、北京時間の21日、国際市場の原油価格は反転上昇し、ニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)の原油先物主力商品は現在価格は7%上昇して、1バレル22ドル近くなった。ブレンド原油先物主力商品は1.5%上昇して、同29.6ドルに迫った。

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