米カンザス州立大学の研究により、新型コロナウイルスが蚊から人にうつらないことが証明された。研究者は17日に学術誌「サイエンティフィック・リポーツ」に掲載した論文の中で、新たな研究が初めて確かな実験データを提供し、蚊が新型コロナウイルスをうつさないという世界保健機関(WHO)の判断を裏付けたとした。科技日報が伝えた。
WHOは新型コロナウイルスの感染が蚊を通じて拡大することをはっきり否定し、「新型コロナウイルスが蚊でうつるという情報または証拠はない」とした。この判断はその他のコロナウイルス研究の各種観察結果に基づく推論であり、確かな実験データの裏付けがなかった。
関連科学証拠を探すため、カンザス州立大学バイオセーフティー研究所の研究チームは的を絞った実験・研究を行った。彼らはウイルス胸腔内接種を通じ、比較的多く広く分布する3種の蚊の体内における新型コロナウイルスの感染と複製能力について試験を行った。この3種の蚊はネッタイシマカ、ヒトスジシマカ、ネッタイイエカ。これらは人類に感染する2つの最も重要なアルボウイルス属の代表格だ。研究者によると、胸腔内接種は蚊に対するウイルス攻撃の最も極端な方法だ。胸腔内接種後に新型コロナウイルスが蚊の体内で複製しなければ、蚊がウイルスを含む患者の血液を吸ったとしても、そのウイルス感染の可能性を排除できる。
研究者は接種から2時間内に集めた検体の中から新型コロナウイルスを検出し、同ウイルスを効果的に蚊に感染させたことを証明した。だが接種から24時間後のすべての時間帯に集められた277件の検体からはいずれも同ウイルスが検出されなかった。研究者は、新型コロナウイルスは蚊の体内で複製できず、蚊は同ウイルスの感染媒介にならないという結論を導き出した。
研究者は「新たな研究は科学のデータにより、新型コロナウイルスが蚊を通じ感染するかという人々の疑問に回答した。極端な条件が揃っていても、同ウイルスが蚊の体内で複製しないことが分かった。ウイルスを含む血液を吸った蚊が、ウイルスを人にうつすことはない」と指摘した。(編集YF)
「人民網日本語版」2020年7月20日
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