「買うのが一日遅れると、値段が3千元(1元は約15.5円)上がる」。値上げは贅沢品では珍しいことではなく、「値上げしなければ贅沢品ではない」などという言い方もある。感染症がなかったとしても、ブランド企業は毎年インフレ率を踏まえて価格を調整し、5%前後の値上げ幅はもはや珍しくない。
3月、5月、7月にトップブランドが値上げを行ったのに続き、最近は9月に再び値上げラッシュが起きるのではないかとの情報がSNSで盛んに伝えられている。
いくつかのブランドのショップスタッフにたずねてみた。値上げがよくうわさされるルイ・ヴィトンのスタッフは「現在、会社から伝えられたところでは、しばらく値上げの予定はない」と答えた。シャネルは「うちは5月に価格を調整したばかりで、しばらく値上げはない」とのことだった。
贅沢品に詳しい要客研究院の周■(女へんに亭)院長も、「主な原因はやはり贅沢品のコアな消費者の消費能力は変わらないことだ。今年はみんな海外旅行に行けなくなって、消費のかなりの部分が国内に回るようになった。また贅沢品ブランドの中には値上げをちらつかせるなどいろいろな戦略を打ち出して、消費者を故意にあおるところもある」と同様の見方を示した。
サヴィルズは報告の中で、「トップ贅沢品ブランドはそのブランドのプレミアム性や希少性、象徴的地位により、中国の消費者を引き寄せる強い力をもっている。中国の富裕層は年々増加し、その資産が感染症や短期的な経済の落ち込みから受ける影響は限定的であり、手元にはまだ贅沢品を買うだけの十分な現金がある」と分析した。(編集KS)
「人民網日本語版」2020年9月3日