人民元レートが上昇 気になる今後の動きは?

人民網日本語版 2020年09月03日15:24

最近、人民元が上昇を続けている。データによると、人民元対米ドルレート基準値はすでに過去1年間余りの高水準に達したという。一般的に、レートが上昇すれば輸入、海外旅行消費、留学にプラスになるが、輸出にはマイナスの影響をもたらす。そのため、外界も人民元レートの動きに非常に注目している。

中国民生銀行の温彬首席研究員は人民元レートの次の段階の動きについて、「短期的にみれば、中国経済が持続的に回復しているため、世界の投資家は中国資本市場を高く評価し、外資が持続的に中国に流入している。こうした要因が今後さらに人民元の値上がりを後押しすると予想される。しかし中長期的にみれば、人民元レート形成メカニズムがさらに市場化されるのにともなって、人民元レートは合理的でバランスのとれた水準で上下の双方向の変動を維持するだろう」と分析した。

中信証券固定収益部門の明明首席アナリストは、「人民元レートの上昇はしばらく続くかもしれないが、今後存在する可能性のあるリスク、たとえば世界的なリスク回避ムード、中米関係、非対称な資本規制を考えに入れると、人民元レートはカーブが緩やかになった上昇曲線を描き、短期的には1ドル6.7元から6.8元の範囲に収まる可能性がある。同時に注意しなければならないのは、レートの持続的上昇が中国の輸出と製造業に一定の打撃を与えることだ」と分析した。

中国人民銀行(中央銀行)が8月に発表した「2020年第2四半期中国金融政策執行報告」では、レートの市場化改革を深化させ、市場の需給を基礎に通貨バスケットを参考にして調節を行う、管理された変動相場制を整備し、人民元レートの弾力性を維持し、レートのマクロ経済と国際収支を調節して自動安定化装置になるという役割を発揮させる。また市場の期待を安定させ、人民元レートの合理的でバランスのとれた水準での基本的安定を維持することを打ち出した。(編集KS)

「人民網日本語版」2020年9月3日

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