新疆で新たに無症状感染者26人を確認 全員が無症状の原因は?

人民網日本語版 2020年10月27日13:31

新疆ウイグル自治区の疏附県を中心に、カシュガル地区の住民全員を対象に実施されている無料のPCR検査。

10月26日0時から24時にかけて、新疆維吾爾(ウイグル)自治区(新疆生産建設兵団を含む)で新たに確認された新型コロナウイルス感染者は0人だったものの、新たに確認された無症状感染者は26人だった。いずれも喀什(カシュガル)地区疏附県で確認され、全員がこれまでに確認された無症状感染者の濃厚接触者だった。

26日24時の時点で、新疆(兵団を含む)の感染者数は0人、無症状感染者は164人で、いずれもカシュガル地区疏附県の住民。

カシュガル地区で再び発生した今回の集団感染について、公表されている感染者が全員無症状感染者である点に注目している人も少なくないだろう。この状況について、北京大学第一医院呼吸・危重症医学科の王広発主任は、「新型コロナウイルスの感染者は通常、症状が表れる2日前には検査で『陽性』となるため、このような状況が起きているのだろう。それら感染者のほとんどは感染早期である可能性があるほか、迅速な対応をしたため、症状が出る前に発見することができたのだろう」との見方を示す。

米イェール大学公衆衛生大学院の陳希准教授も、「新型コロナウイルス感染症は数日の潜伏期間がある。カシュガル地区の感染者は比較的早期に発見されたため、無症状である可能性がある。しかし、だからと言って、それら感染者は今後、症状が出ないというわけではない。また、集団感染が発生したのは工場で、労働者は若者がメインであるため、無症状の確率がさらに高くなっているという一面もある。こうした状況は世界の多くの地域の臨床においても起きている」との見方を示す。

そして、王主任は、「本当の意味での無症状感染者とは、新型コロナウイルスに感染してから治癒するまでずっと症状が出ない人を指す。これまでの経験によると、この種の感染者の割合は比較的少なく、ほとんどの感染者に発熱や呼吸器症状が出る。(カシュガル地区の)多くの感染者も今後、隔離期間中に症状が表れることになるだろう」との見方を示す。

その他、無症状感染者の割合が増加していることは新型コロナウイルスの変異と関係があるのではとの憶測も出ている。その点、陳准教授は、「アジア地区で発見されている新型コロナウイルスは北米や南米で発見されているウイルス株とは異なり、ウイルス学的な観点から見ると、ウイルスは人の体にどんどん適応していく。より多くの人の体に付着して伝播するため、弱毒性が進み、発見がどんどん難しくなるだろう。そのため、無症状の割合が高まるという可能性は存在する」としながらも、「ウイルスが突然変異して、大量の無症状感染者が出現する可能性は低い」との見方を示す。(編集KN)

「人民網日本語版」2020年10月27日

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