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新石器時代の4つの考古学的重大発見 中国

人民網日本語版 2020年12月31日09:25

今月29日、中国国家文物局は、中国の重要考古学プロジェクトの進展を報告する会議を開催した。同会議では、新石器時代の考古学的に重要な新発見にスポットを当て、内蒙古(内モンゴル)自治区の後城咀石城遺跡、山東省の滕州崗上遺跡、湖南省の華容七星■遺跡(■は土へんに敦)、湖南省の▲県(▲はさんずいに豊)孫家崗遺跡など、重要な考古学成果4項目が報告された。人民網が報じた。

4項目は、「河套地区の集落と社会の研究」、「海岱地区の文明化の過程の研究」、「長江中流の文明の過程の研究」において重要な遺跡で、4000―5000年前の時代のものばかりだ。文明の起源や初期の国家の形成などにおいてカギとなる段階に属している。

内モンゴル後城咀石城遺跡

北方エリアで最古の整った防御体系が備わった甕城の遺跡

後城咀石城は、内モンゴル自治区呼和浩特(フフホト)市に位置し、敷地面積は約138万平方メートル。東西約1200メートル、南北約1150メートルに広がり、現時点で、内モンゴル中南部最大の有史以前の城跡。甕城、外城、内城で構成されている。現時点で、累計約3000平方メートルが発掘され、甕城の前通路、甕城の堀、甕城、甕城の城門、城門から構成される半月形の防御体系がほぼ確定している。

後城咀龍山時代石城の甕城の一部(画像は報告者が提供)

後城咀石城の甕城は、中国北方エリアで現時点で発見されている最古の整った防御体系が備わった甕城の遺跡。この発見により、馬面、甕城の起源が約4000年前の龍山時代にまで遡ることができると判明した。

山東崗上遺跡

海岱地区で発見された大◆口時代最大の有史以前の城跡

山東省滕州市に位置する崗上遺跡の大◆口文化城跡(◆はさんずいに文)の面積は約40万平方メートル。2020年に発掘調査が行われた面積は合わせて約1000平方メートルに達した。

北部の発掘エリア(画像は報告者が提供)

崗上遺跡は、海岱地区で発見された大◆口時代最大の有史以前の城跡。高級貴族の古墳が発見され、玉器などが出土したことで、その地域における中心的な地位がより際立つようになった。

M9玉環(画像は報告者が提供)

湖南七星■遺跡

長江中流地域で初めて発見された「外は丸く中は四角形」の双城構造

湖南省華容県に位置する七星■遺跡は、4000‐5000年前の新石器時代後期の城跡。内外2層の城の垣と堀で構成されており、面積は約25万平方メートルだ。

2020年に発掘が行われたエリア(画像は報告者が提供)

約5000年前、「外は丸く中は四角形」の2層の城の垣が建設され始めた。城の垣の外側には堀があり、城内外には整った水系がある。約4500年前は、七星■古城が最も栄えた時代だった。城の外の大荊湖周辺には小型遺跡が約30ヶ所にあり、七星■を中心とした集落群を形成している。しかし、約4000前、大荊湖周辺の集落は消滅し、外城の垣も打ち捨てられ、祭祀に用いられた陶磁器はほぼ消えてなくなった。

大荊湖周辺の遺跡の分布図(七星■集落群、画像は報告者が提供)

七星■古城遺跡は、湖南省で発見された最大規模の有史以前の城跡。外城は円形に近く、内城は長方形で、「外は丸く中は四角形」の双城構造が長江中流地域で発見されるのはこれが初めてのことだ。

湖南孫家崗遺跡

現時点で発見されている最大規模の肖家屋脊墓地

湖南省常徳市の孫家崗遺跡は、洞庭湖平原の西北部に位置する。遺跡は主に環壕集落と墓地からなり、総面積は約21万平方メートル。この地で培われた主体的な文化は肖家屋脊文化に属し、絶対年代は3800‐4200年前だ。

孫家崗遺跡の位置(画像は報告者が提供)

孫家崗遺跡の墓地では、肖家屋脊文化のスタイルで製作された大量の陶磁器が出土しており、考古学研究によると、それらは中原龍山文化と本土の伝統的な石家河文化を組み合わせたものであることが分かっている。これは中原文化が南下し、洞庭湖地区に影響を与えた証拠にもなっている。

玉神面牌飾り(M149:1、画像は報告者が提供)

孫家崗遺跡の墓地の発掘は、洞庭湖地区の約4000年前の考古学文化上の空白を埋め、現時点で発見されている最大規模の肖家屋脊墓地となっている。

今回報告された重大発見4項目は、中国の「河套地区の集落と社会の研究」、「海岱地区の文明化の過程の研究」などの重大学術課題の研究を大きく進める可能性を備えている。(編集KN)

「人民網日本語版」2020年12月31日

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