中国決済清算協会がこのほど発表した「2020年モバイル決済利用者アンケート調査報告」によると、2020年にはモバイル決済の利用者で若者の占める割合が上昇し、中高年の割合が低下し、モバイル決済のイノベーション応用が急速に進むことで生じる可能性のある「情報格差(デジタル・デバイド)問題」にさらに注目が集まった。モバイル決済を毎日利用する人の割合が上昇し、19年より4.4ポイント上昇したほか、モバイル決済が文化・娯楽シーンで急速に発展し、利用率が19年より6.9ポイント上昇した。「北京日報」が伝えた。
少額決済が徐々に明らかな特徴に
20年には、利用者の74.0%が毎日モバイル決済を利用し、利用率は昨年より4.4ポイント上昇した。
19年に比べ、1回あたりの決済金額が100元(1元は約16.0円)以内という少額決済の利用者が大幅に増加して38.4%に上り、前年より23.3ポイント上昇した。ここから、日常の移動交通分野でのモバイル決済の利用率が上昇していること、各種の中小規模の商業施設でモバイル決済に対応するところがますます多くなったことがわかる。
デビットカードおよび第三者決済サービス(支付宝<アリペイ>、微信<WeChat>零銭など)による決済は引き続きモバイル決済で真っ先に選ばれる手段で、クレジットカード払いの割合も目に見えて上昇した。マネーマーケットファンド(余額宝、微信零銭など)と信用による決済商品(アント華唄、京東白条、微信分付、美団月付など)での決済の割合が低下し、モバイル決済の割合が低下し、モバイル決済の資金源が銀行口座に回帰する流れが明らかになった。
娯楽シーンでの利用率が上昇
20年には、モバイルユーザーの94.9%が生活関連(生活必需品の購入、たとえば衣類・食品などの購入)でモバイル決済を最もよく利用したと答えた。次は公共交通の地下鉄や路線バスでの利用で79.2%を占め、公共料金(水道、ガス、デジタルテレビ視聴料)などの支払いは77.4%を占め、前年並みだった。
感染症の影響により、投資・資産運用のシーン、航空券・乗車券業務や出張旅行のシーンなどで、モバイル決済の利用率が低下した一方、娯楽シーンでの利用率が上昇し、モバイル決済は娯楽シーンで急速に発展した。
また、次の点も注目される。利用者が地下鉄などの公共交通を利用して出かける時、最もよく使われる決済手段はQRコードのスキャンで55.6%を占め、19年に比べて7ポイント近く上昇した。次は、端末をかざすだけのNFC(近距離無線通信)決済で31.9%を占めたが、19年に比べて4ポイント近く低下した。公共交通分野ではQRコード決済がすでに普及し、ますます多くのユーザーがQRコードかNFC対応のスマートフォンを優先的に選択し、公交通機関の利用時の決済方法にしている。(編集KS)
「人民網日本語版」2021年1月14日