将来は職業・技能の変更の3分の1が中国で発生か

人民網日本語版 2021年01月15日13:23

マッキンゼー・グローバル・インスティテュート(MGI)とマッキンゼー中国法人が13日に発表した報告書「中国の技能のモデル転換:世界最大規模の労働者層が生涯学習者になることを推進する」によると、デジタル化・自動化技術が中国および世界全体で広く普及するのにともない、百万人単位の労働者が新たな技能を早急に習得する必要に迫られる可能性があり、職業の変更を迫られる可能性さえある。中国の規模の大きさから考えて、世界の職業・技能の変更の3分の1にも上る中国で発生することが予想されるという。中国新聞網が伝えた。

過去30年間、中国では個人所得と労働生産性が10倍増加し、国内総生産(GDP)は13倍増加した。しかし同時に、人口の増加、都市化の進行、資本の蓄積などを含む重要な駆動要因の働きが弱まっている。マッキンゼーは、「現在、中国は製造と投資が駆動する経済から消費、サービス、イノベーションが駆動する経済へと転換しつつある。自動化とデジタル化の流れが世界の新型コロナウイルス感染症への対応によって加速的に発展するのにともない、労働生産性がより重要な成長の駆動力になり、人材や労働者に必要とされる技能も変化するとみられる」との見方を示した。

データを見ると、2030年になると、中国は2億2千万人にも上る労働者(労働者総数の30%)が職業変更を迫られる可能性がある。MGIの未来の働き方モデルに基づくと、世界で職業変更を迫られる人の約3分の1が中国人労働者ということになる。中レベルの自動化の中、30年には労働時間5160億時間分の労働(労働者1人あたり平均約87日分の労働)が自動化によって配置換えを迫られる可能性がある。体力と人による操作の技能へのニーズは18%減少し、専門的な技術や技能へのニーズは51%増加する見込みだ。また労働市場と技能の変化に直面して、中国の出稼ぎ労働者層が直面する挑戦はさらに厳しいものになり、この層は30年に3億3100万人に拡大する可能性がある。出稼ぎ労働者の多くは収入も技能レベルも低く、仕事の内容の22-40%は自動化の影響を受けやすく、労働時間1510億-2770億時間分の労働、1人あたり平均57-105日分の労働が影響を受けることが考えられる。

マッキンゼーのグローバルシニアマネージングパートナー兼MGI連席院長のジョナサン・ウーツエル氏は、「中国は雄大な志を胸に抱きつつ、全国的な技能発展目標の制定を検討することができる。現在のシステムのカバー範囲を3倍拡大してすべての人をカバーする▽教育・技能訓練の内容を調整して、ポスト工業経済の時代における労働者の技能への要求に適応する▽中国のどの場所でもどの時間でも教育と訓練が受けられるようにする、ことだ」との見方を示した。

マッキンゼーのグローバルシニアマネージングパートナー兼マッキンゼー中国法人代表の梁敦臨氏は、「中国は困難な任務に直面するが、目に見える優位性も確かに備えている——中国のデジタル化レベルは上昇を続け、実際、中国の教育技術分野などでのベンチャー投資は世界一に躍進した。また中国はいち早く政府と企業の協力モデルを模索してきたことも、人材発展システムの改革プロセスにおける新たな協力の基礎を固めることにつながる」と述べた。(編集KS)

「人民網日本語版」2021年1月15日

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