月探査機「嫦娥5号」が持ち帰った月の土壌サンプルが22日、人民大会堂で公開展示された。嫦娥5号は一度に1731グラムの月のサンプルを持ち帰った。これは主に月の表面を覆う「土壌」で、微小鉱物粒子、岩の破片、ガラス質微小粒子などが含まれる。月の土壌は粒子が細かく、主に酸素、シリコン、アルミニウム、鉄、マグネシウム、カルシウム、ナトリウム、カリウム、チタンなどの元素で構成され、いかなる有機養分も含まれず、しかも非常に乾燥している。新華社が伝えた。
嫦娥5号が持ち帰った月の土壌には、多くのミリメートル級の岩の破片が含まれる。科学者はその結晶の年齢を推算し、さらに月の起源や変化の過程をより詳細に推断でき、月に対する一部の認識を改める可能性が高いとともに、火星、小惑星、太陽系全体への理解を広げる。
注目すべきなのは、月のサンプルを入れる容器のデザインだ。その材質が人工水晶で、38.44センチメートルという高さは、地球と月の間の平均距離である38万4400キロメートルを象徴している。22.89センチメートルという幅は嫦娥5号の打ち上げから帰還までの22.89日の期間を象徴している。内部のデザインは地球、中国の地図、月、月の土壌などからなっている。容器内の地球と月の間隔は9.9センチメートルで、古代人が天を方角により九つに区分するという「九天」の考えに基づいており、中国の月探査事業が限界を突破し、「九重」を超越するという意味が込められている。人民大会堂で展示された月の土壌のサンプルは現在中国国家博物館に運ばれており、間もなく一般公開される。(編集YF)
「人民網日本語版」2021年2月23日