中国科学院上海薬物研究所の徐華強氏と蒋軼氏のチームは浙江大学の張岩氏のチームなど複数の研究チームと協力し、25日にネイチャー誌に最新の研究成果を掲載した。3種類のセロトニン受容体の近原子分解能構造を解明し、リン脂質とコレステロールによる受容体の機能調節方法及び1種類の抗うつ薬の分子調節メカニズムを明らかにした。新華社が伝えた。
セロトニンは重要な神経伝達物質で、脳内で役割を果たし、快楽と幸福を感じる能力を与えてくれるため、「快楽神経伝達物質」とも呼ばれる。セロトニンは脳の記憶、認知、感情、学習、中毒性の調節など系統的に人体の広い生理機能に参加する。同システムがバランスを失うと、うつ、精神分裂症、片頭痛などのさまざまな精神疾患が生じうる。セロトニンの分子構造と機能メカニズムを明らかにすることで、うつや精神分裂症などの精神疾患の治療に新たな希望をもたらすことができる。
科学者はこれまで、セロトニンの受容体ファミリーの詳細な構造に関する知見が少なく、新型ターゲット薬の研究開発が非常に困難だった。より効果的で副作用のより少ない治療薬を開発するため、研究者は3種類のセロトニン受容体が異なるリガンドと結びつく冷凍電子顕微鏡構造を解析した。(編集YF)
「人民網日本語版」2021年3月26日