モンゴルから東に向かって吹く季節風によって、今年3回目となる黄砂が運ばれてきた。 4月15日午前、内蒙古(内モンゴル)自治区の各地で大規模な黄砂が観測され、呼和浩特(フフホト)市の黄砂観測記録によると、わずか7分の間に、一列に建ち並ぶ高層建築が「消失」してしまうほどの黄砂に襲われた。中国新聞網が伝えた。
中国天気網の気象アナリストを務める張娟さんは、「4月10日の時点で、中国では計6回、黄砂が観測されおり、これは、例年の同時期に比べ、回数的に多くなっている。黄砂が観測された地方は20省(自治区・直轄地)以上となっており、長江デルタ地域の上海や杭州などの都市でも、珍しい黄砂の到来が確認されている」と指摘した。
今年の黄砂が深刻になっている理由としては、第一に、今年のシベリア高気圧が、例年の同時期より勢力が強く、黄砂が発生して南方に移動しやすい気象条件が整っていることが挙げられる。また、モンゴルからの季節風・強風が、黄砂の「運搬係」となっており、「黄砂の発生」と「黄砂の運搬」という2つの重要な要因により、今年の黄砂が例年より深刻になっている。
2番目の理由は、2月下旬以降、モンゴルの一部地域の気温が例年より2度から6度高くなったことから、雪解けが早まり、砂源が露出したことだ。しかも草がまだ生えそろっていない時期であるため、黄砂が発生する際に十分な「砂源」が提供されてしまう結果となった。(編集KM)
「人民網日本語版」2021年4月16日