山東省菏沢市曹県が今中国で、大手SNS・メディアプラットフォームの注目を集めている。あまり知られていないが、この4つの省の境界エリアにある県がこれほど「ブレイク」したのは、ここがさまざまな細分化された分野で高い実力を備えた場所であることと関係があり、その分野には棺製造業、木製品加工業が含まれる。大まかな統計によると、日本市場に出回る棺の9割は「メイド・イン・曹県」だという。中国新聞網が伝えた。
今月23日、「棺桶の町」と呼ばれる曹県荘寨鎮を訪れたところ、空き地の多くに桐の板が整然と並べられ、通りのあちらこちらに「木業公司」や「木業加工」の看板が掲げられていた。棺を日本に輸出するメーカーでは、淡い上品な色合いの布製の棺、細かい花の彫刻が施された木製の棺などが、熟練した職人の手から次々に作り出されていた。
同鎮の多くの企業が、質の高い桐材資源を利用し、木材加工によって発展してきた。菏沢徳弘木製品有限公司の販売責任者の秦雪紅さんは、「日本の人々は亡くなると棺と一緒に火葬される。棺は燃えやすく、軽い材料で作る必要があり、曹県でよく取れる桐がベストな選択だ」と話した。
棺の製造には30あまりの工程があり、すべて職人の手で行なわれる。秦さんは、「日本人は棺の質に対する要求がとても厳しい上、棺は白木が多いので、加工に際して、職人は手を清潔に保ち、爪までしっかりきれいに洗わなければならない」と説明した。
秦さんの話によると、同社は毎月400立方メートルの桐材を使用し、これは桐の木650本分に相当する。日本に販売する棺は毎年30万基を超える。荘寨鎮には同社以外にも、輸出を手がける多くの棺メーカーが存在するという。
菏沢徳億利木業有限公司が製造する棺は遠くスペイン、イタリア、フランスなどへ販売される。こうした欧州へ輸出される棺は日本への棺とは形状が異なり、主に多角形か楕円形が中心で、頭の方が広く足の方が狭く、表面は塗料仕上げが必要だ。
同社の責任者の古安華さんは、「自分はこれまでずっと広東省で棺加工のビジネスをしていた。会社が広東にあった時はずっとスペインや南アフリカの市場に向けてビジネスをしていた。2016年に曹県に移ったのは、主にここが桐材の生産拠点で、棺の原材料が豊富だからだ。移転後はイタリア、フランス、ルーマニア、ロシアなどの市場を開拓し、毎年約3万基を輸出している」と話した。
荘寨鎮党委員会の郭鳳民書記の説明では、「荘寨鎮は棺の加工だけでなく、中国の重要な集成材生産拠点でもあり、中国最大の桐加工輸出による外貨獲得の拠点でもあり、桐製品の輸出量は中国の同類製品の輸出量全体の70%を占める」という。(編集KS)
「人民網日本語版」2021年5月24日