中国のフレキシブルワーカーが約2億人に 大卒者の割合が急上昇中

人民網日本語版 2021年06月17日15:57

安秋金さんは2018年に厦門(アモイ)大学嘉庚学院を卒業後、グルメ動画のクリエイターになった。同じように、95後(1995‐99年生まれ)の劉寧児さんは中国伝媒大学を卒業後、非主流の職業であるエレクトロニック・スポーツ(eスポーツ)の司会者になった。南昌理工学院で電子情報エンジニアリングを専攻していた呉夢煒さんは、畑違いの職業であるオンライン文学作者として生計を立て、毎晩5-6時間かけて、小説を4000‐6000字書き、更新している。光明日報が報じた。

若いフレキシブルワーカーに共通するのは自由、趣味、夢を追いかける気持ちだ。では、「フレキシブルワーク」とはどのような概念で、フレキシブルワーカーにはどんな特徴があるのだろう?

多くの専門家は、「フレキシブルワーカーは、インターネット経済と密接な関係があり、個人事業者として、単発の仕事をしたり、非正規社員として仕事をしたりする。その柔軟性は、仕事の形式や長さ、労働関係などに表れており、基本的に非全日制労働、個人事業者、新労働形態の3種類に分けることができる。フリーランスよりも、フレキシブルワークがカバーする範囲は広く、『アルバイト』をすることもできれば、自分で起業することもでき、その他にもその形態はさまざまだ」と分析している。

首都経済貿易大学中国新雇用形態研究センターの張成剛主任は長年の調査と研究をベースに、フレキシブルワーカーについて、「95後、00後(2000年以降生まれ)がメインで、一般の学部や高等職業学校の卒業生が大半を占めている。自らそれを選ぶ、またはそれを起業や次の就職のステップにする場合が多い。同じ条件下では、伝統的なポストで仕事をしている人よりも収入がやや多い。フレキシブルワーカーは、一定の自主性、創造性を備え、市場のニーズに速やかに対応し、必要な変化を遂げる」と描写している。

専門家は取材に対して、「一部の省では、フレキシブルワークを選ぶ大学卒業者の数が増加している。江蘇省を例にすると、2017年、2019年、大学卒業者は55万6000人と56万2000人だった。うち、フレキシブルワーク選択率は2.5%、2.9%で、約2500人増えた」と説明する。

中国人民大学労働人事学院が発表した、「中国のフレキシブルワーカー発展報告(2021)」によると、2020年中国企業が採用したフレキシブルワーカーの割合は約55.7%で、2019年に比べて約11ポイント上昇した。また、約30%の企業は、フレキシブルワーカーの規模をキープするか、拡大する計画だ。

中国社会科学院社会学研究所の研究員・朱迪氏は、以前に青年の職業選択をめぐる調査研究を行い、多くの青年が、仕事や生活と、家庭のバランスをうまく取ることを強く願っており、フレキシブルワークがそのようなニーズを満たすことを可能にしていると分析している。また、若者は自由を好み、自分の人生は自分で決めたいというその考え方も、フレキシブルワークが人気となる理由になっている。多くの場合、フレキシブルワーカーは、仕方なくそれを選んでいるわけでは決してなく、自己価値を実現したり、起業のための経験を積んだりするために自らそれを選んでいる。

専門家は、デジタル技術の革新が、シェアリングエコノミーやオンラインエコノミーの発展を牽引し、クラウドカスタマーサービス、ショート動画、オンライン教育などのコンテンツプラットフォームが、フレキシブルワークの条件を整え、時間、空間、形式の面で、大学生が選ぶ職業の幅を広くし、供給側の雇用ポストも増えたと分析している。(編集KN)

「人民網日本語版」2021年6月17日

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