【はじめに】中国共産党創立100周年祝賀大会で、習近平総書記は、党と人民を代表して、「全党、全国の各民族の人民の持続的な奮闘を経て、中華の大地で小康社会(ややゆとりのある社会)を全面的に完成させるという1つ目の100年の目標を達成し、絶対的貧困の問題は歴史的な解決をみた。今は、社会主義現代化強国を全面的に完成させるという2つ目の100年の奮闘目標達成に向けて、意気揚々と邁進している」と厳かに宣言した。
小康社会の完成度は、農村を見れば分かるものだ。農業が発展しているか、農村が美しいか、農民が豊かな生活を送っているかなどは、小康社会の全面的な完成の質と社会主義現代化の質を左右する要素となる。
人民網日本語版では、「農村を訪ねて『小康』を感じよう」をテーマにしたシリーズ記事を掲載し、中国の広大な農村で生じている生産や生活における大きな変化、そして人々がしっかりと実感している獲得感と幸福感、安心感を紹介していく。また新時代における美しい農村ののどかな風景や小康社会を全面的に完成させた農村の物語を描き出していく。
上海市荘行鎮
上海市奉賢区では、60歳以上の高齢者が人口の30%以上を占めており、地元政府は、高齢者たちに老後の暮らしをいかに楽しんでもらうかという点を極めて重視している。
そんな中、奉賢区所属の荘行鎮では、「四堂間」と呼ばれる高齢者ケアのスタイルを生み出している。それは政府が筆頭となり、社会が賛助し、村民委員会が実務を担当し、高齢者は任意で参加するというスタイルで、一人暮らしの高齢者や困難を抱える高齢者などが、村のセンターや村民の空き家を「食堂」や「客堂(ダイニング)」、「学堂」、「議事堂」として活用し、食事やおしゃべり、勉強、交流に利用することで、農村の高齢者が自宅近くで楽しい時間を過ごすことができるようにしている。
またこの他にも、鎮の各村には、機能が整った公共施設があり、高齢者が運動をすることができるようになっている。例えば、呂橋村にはトレーニングポイントが8ヶ所、ポケットパークが6ヶ所あるほか、ウォーキングのための散歩道もたくさん設置されている。
手先の器用な高齢者たちは暇な時間を利用して、地元の特産品「荘行土布」を使い、カバンなどの布製品を作ることができ、これらの作品は村史館に展示されている。「荘行土布」は、上海市の無形文化遺産に指定されており、クラシカルながら、ファッショナブルでもある。
「四堂間」の食堂では、高齢者が食べやすいように、全ての料理が軟らかめに作られている。肉料理1品と野菜料理1品の食事は、政府が3元(1元は約16.9円)補填しているため、高齢者はわずか3元という低価格で食べることができるため、好評を博している。足の不自由な高齢者向けに、家まで熱々の食事を届けるサービスを行っている村もある。(編集KN)
「人民網日本語版」2021年8月24日