昨年、中国のネット上では「90後(1990年代生まれ)がすでに抜け毛に悩んでいる」という話題が注目を集め、社会に出て働き始めたばかりの90後がすでに、職場では中堅となっている80後(80年代生まれ)と一緒に「抜け毛」の洗礼を受けていることが、多くの人を驚かせた。北京青年報が報じた。
中国で「抜け毛」に悩んでいる人は約2億人いるとされており、その数は毎年15-18%の速いペースで増えており、深刻化している。まだ30歳にもなっていない90後の抜け毛率はすでに36.1%に達しているだけでなく、さらには大学生の5割以上が「すでに抜け毛が始まっている」としている。調査会社のMob研究院が発表した「2021年90後の抜け毛調査研究報告」の90後の抜け毛発生状況を見ると、46.7%が「深刻な抜け毛」に直面している。男女別でみてみると、女性の43.7%が「抜け毛がみられる」と答え、男性のその割合は51.4%にも達していた。
抜け毛に悩む人が多い人を都市別にみてみると、北京、上海、広州がトップ3となり、杭州、深セン、成都などがトップ10にランクインしていた。
抜け毛に悩む90後を職業別でみてみると、男性で最も多いのはIT・通信で、女性は広告・マーケティング業界だった。
抜け毛の原因で最も多いのは、「夜更かし、ストレス」で50%以上。次に多かったのは「ホルモンバランスの乱れ、運動不足」だった。その他、食習慣が悪い、遺伝、頻繁にパーマをかけたり髪を染めたりすることなども主な原因だった。
抜け毛に悩んでいる若者の睡眠状況も思わしくない点は注目に値する。90後の睡眠の質の調査によると、抜け毛がみられるグループは、睡眠の質が「非常に悪い」、「比較的悪い」、「普通」の割合が合わせて46%と、抜け毛がみられないグループに比べて目に見えて多かった。
抜け毛がみられるグループにおいて8割が「悩んでいる」と答え、うち37.7%が「よく悩む」と答えた。その理由は、顔面偏差値や自信、恋愛に大きく影響するからとしており、「悩まない」と答えた人はわずか16.4%にとどまった。
真の「救世主」とは?
調査では、抜け毛対策の予算と実際の出費について、90後の6割以上が、「500元(1元は約17円)以内」と答えた。「5000元以上」という回答も約1割あった。また、6割以上が抜け毛対策用のシャンプーを使うと答えた。その他、食習慣の改善やストレス解消なども必須対策となっている。
同時に、シャンプーは「気休め的効果」しかないという声もあるのを背景に、90後の2割以上が「植毛」が最も効果的な方法としており、植毛することで抜け毛を根本的に解決できると考えている。中国で植毛をしている人のうち、90後が全体の5割以上を占めており、同グループが最も気にしているのはその価格だった。
シャンプーは髪質改善には効果があるものの、抜け毛を解決することはできない点は、注意が必要だ。また、植毛も一時しのぎの手段であり、禿げていない箇所から抜いた髪を植えつけているため、うまく植えつけることができても、時間が経てば、再び「毛包幹細胞」の機能が衰退してしまう可能性もある。
そのため、抜け毛に悩んでいる人はまず、休息をしっかり取り、良くない生活習慣を改める必要がある。調査でプログラマーの3割以上が、「実力を競っているのであって、髪の量を競っているのではない」ため、「抜け毛で悩むことはない」と答えているように、穏やかな気持ちで抜け毛と向き合うことも必要だ。(編集KN)
「人民網日本語版」2021年9月2日