中国科学院紫金山天文台が9日に明らかにしたところによると、小惑星センター(MPC)は8日、同天文台が発見した新しい彗星を確認・発表し、「C/2021S4(Tsuchinshan)」と名付けた。同彗星は同天文台の盱眙天文観測ステーションが9月29日に発見したものだ。現在まで同天文台は宇宙の星空を漂う7個の彗星を発見しており、うち5個に「Tsuchinshan」(「紫金山」のウェード式ローマ字)と名付けている。科技日報が伝えた。
同天文台の趙海斌研究員によると、同彗星の太陽までの距離は最短で10億キロメートル余りだ。地球近傍天体望遠鏡がこれまで発見した2個の彗星のP/2007S1(Zhao)とC/2017(Tsuchinshan)と比べると、同彗星の軌道はより平たいため、軌道周期がより長い。太陽の周りを一周するのにおよそ1000年以上必要だという。
軌道周期といえば、この彗星はまだ最長のものではない。趙氏は「同天文台が1977年11月3日に発見した彗星のC/1977 (Tsuchinshan)は、太陽を一周するのにおよそ百万年近くもかかってしまう」と説明した。
同天文台の盱眙天文観測ステーションが持つ104・120センチメートル口径の地球近傍天体望遠鏡は、中国で現在口径が最大のシュミット式望遠鏡で、惑星の科学的実測・研究の専用設備だ。太陽系天体の目録作りと特性観測に取り組み、主に地球近傍惑星、メインベルト小惑星、ケンタウルス座小天体、彗星などの新天体の発見・モニタリングを主要科学目標とするとともに、地球の潜在的な脅威になりうる地球近傍天体の発見・モニタリングの任務を担当している。これはまた中国の国際小惑星早期警戒ネットワークの主要望遠鏡でもある。(編集YF)
「人民網日本語版」2021年10月11日