水星が14日、今年3回目となる東方最大離角を迎えた。太陽に最も近い惑星としての水星は、太陽系の8大惑星の中で最も小さい。人類は現在まで水星の500近くの地形に命名しているが、うち20以上は中国のものだ。新華社が伝えた。
中国科学院紫金山天文台科学普及主管の王科超氏は、「理論的には、水星の地形の命名を誰でも申請できる。提出する名称はシンプルで明確、無害、非重複の原則を守るうえ、文化の多様性と国のバランスを考慮する必要がある。国際天文学連合の規則によると、ある地形に命名する際には科学研究の需要に基づく必要があり、そうでなければ検討されない。スケールが100メートル未満の地形であれば、特殊な科学的意義がなければ一般的には命名されない」と述べた。
名称の十分なソースを確保するため、国際天文学連合は惑星と衛星にそれぞれ独立した命名システムを構築した。例えば同じクレーターであっても、水星は主に故人の芸術家や文学者の名前を用いる。王氏によると、中国人の名がつけられた水星のクレーターは21個ある。これらの名称には李白や杜甫など古代の有名人のほか、魯迅や斉白石などの現代の名家もある。
この21の中国名の持ち主にはそれぞれ素晴らしい物語があり、彼らの名がつけられた水星の地形にもそれぞれの特徴がある。元時代(1271年-1368年)の有名な書画家である趙孟頫の名がつけられたクレーターは水星の南極に位置し、直径は約140キロメートル。「趙孟頫クレーターは水星の両極のすべてのクレーターのうち、レーダー高周波信号エリアが最大なもので、大量の水氷の存在を示している。ここは水星の未来の水氷探査の最良の場所になる可能性がある」と王氏。
水星にはまた、多くの「若い」クレーターが存在する。それらの特徴の一つは目立つ光条だ。これらの光条は高速衝突時に形成されたもので、反射率が高いため明るく見えるが、時間の経過と共に宇宙風化により徐々に暗くなり、消滅する。南宋時代(1127年-1279年)の有名な宮廷画家である蕭照の名がつけられた蕭照クレーターは水星の赤道付近に位置し、直径はやや小さく24キロメートルしかないが、クレーターの実際の直径をはるかに上回る壮観な光条を持つ。
王氏は「中国の科学技術力が徐々に向上するにつれ、より多くの国内の科学者がこの太陽から最も近い惑星に目を向け、水星の秘密の探査に中国の力を貢献するだろう。そして、より多くの中華文明からの名前が水星に刻まれることを信じる」と述べた。(編集YF)
「人民網日本語版」2021年9月16日