中国、スマホのロゴ用ステンレススチールの開発に成功

人民網日本語版 2021年10月26日10:29

甘粛省の酒泉鋼鉄集団宏興股份不銹鋼分公司(以下、「酒鋼宏興」)は20日の取材に対して、溶解時の純度に対する要求が最も高いスチールの一つであるスマホのロゴ用ステンレススチールの研究開発に成功したことを明らかにした。これにより、同社のステンレススチールの高付加価値商品の種類が増えただけでなく、同分野における海外メーカーの独占状態が打破されることになるという。科技日報が伝えた。

注目されやすい重要なデザイン要素であるスマホロゴの個性的なデザインは、往々にしてその品質を反映することになる。スマホのロゴ用ステンレススチールは、小ロット生産のスチールの一つで、1トン当たりの利益は、普通のステンレススチールより遥かに高い。ただ、その質に対する要求は非常に高く、生産の難易度も高いため、中国国内の人気のスマホのロゴは一般的に輸入ステンレススチールが採用されていた。

「酒鋼宏興」の技術品質部のエンジニア・陳興潤氏は、「スマホのロゴ用スチールは、溶解時の純度が高くなければならないほか、不純物を可塑化しなければならない。製錬技術的には、その2つは相反しており、二兎を追うものは一兎をも得ずといわれるように、その2つを実現することは技術的に至難の業となる」と説明する。

表面の品質を高くし、力学的性能も高くするために、「酒鋼宏興」の研究開発者は、海外の著名なスマホメーカーのロゴサンプルに対し踏み込んだ分析を行い、大量の国際学術誌の資料をチェックしたうえで、実験室に研究方法を提案した。

今年上半期、プロジェクトチームは、難関攻略に向けて集中的な取り組みを実施し、熱力学理論による分析やスラグとスチールのバランス実験を何度も行い、スマホのロゴ用ステンレススチール製錬においてキーポイントとなる難題を解決した。新しい製錬技術を開発し、ケイ酸塩や球状酸化物の不純物の水準が、輸入のステンレススチール材料と同じ水準となった。今年9月の時点で、同社が研究開発したスマホのロゴ用ステンレススチールは600トン以上出荷され、一級品率は100%、その質は高く評価されているという。(編集KN)

「人民網日本語版」2021年10月26日

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