中国銀行保険監督管理委員会の郭樹清主席は2日に国務院新聞弁公室で行われた記者会見で、「2021年には、中国の重点分野のリスクが持続的にコントロールされ、マクロレバレッジ比率は約8ポイント低下した」と述べた。中国新聞社が伝えた。
郭氏は、「2017年から2021年までの5年間に、中国はリスクの高いシャドーバンキング(影の銀行)を分解し、その規模は25兆元(1元は約18.3円)に上り、過去2年間に限れば縮小規模は11兆5千億元だった。5年間で処理した不良資産は約12兆元、過去2年間は6兆元以上だった。地方政府の『隠れ債務』の状況が改善に向かい、不動産のバブル化や金融化の流れは根本的に転換した」と述べた。
このほかにも、一部の高リスク企業と違法・規律違反の金融機関が秩序よく処理された。個人間の資金の貸し借りを仲介するP2P(ピアツーピア)サービスを扱うネットローン会社はすべて営業を停止し、返済が未完了の貸出残高は4900億元まで減少した。過去5年間に立案されて摘発を受けた違法な資金集め案は累計2万5千件に上った。外部リスクの打撃を防ぎ止める強靱性がさらに高まったという。
郭氏は、「シャドーバンキングは一時は中国の隠れた深刻な金融リスクで、特に2016年にピークに達した。高リスクのシャドーバンキング業務の規模は過去5年間に計25兆元減少したが、今も約29兆元残っている」と特に指摘した。
郭氏は、「高リスクのシャドーバンキングというのは、実質的にはローン型商品であり、『銀行の貸出業務に類似した』シャドーバンキングとも呼ばれ、別ルートを通じた資産運用、投資信託などが何層にも入れ子構造になった金融商品もあるが、『貸出』にあたり厳格な管理は行われていない。全体的に言えば、こうしたリスクは完全にコントロール可能ということだ。将来は高いものから低いものへと、リスクは徐々に解消されていくだろう」と述べた。(編集KS)
「人民網日本語版」2022年3月3日