中国に大量に出現したシャドーバンキングに対し、外部では絶えず悲観的な声が上がっており、これから大規模な金融リスクが発生するとすれば、中国がその根本的な原因になる可能性があるとする声まで聞こえてくる。コンサルティング会社のオリバーワイマングループはこのほど、「中国のシャドーバンキングを解析する・リスク評価と政策による対応」と題する報告書を発表し、シャドーバンキングは一部の人が考えるような大規模で、危機が充満したものではなく、中国も次の金融危機の原因にはならないとの見方を示した。「北京商報」が伝えた。
中国の金融システムのリスクは絶えず積み上がっているという声があるが、オリバーは、「中国は現在、世界規模でみれば純債権国であり、どのような債務問題であれそれは国内でのことであり、グローバルシステムへの影響を直接生じるような機会はそれほど多くない。」との見方を示す。
市場の見方は、直接的な監督管理を受けない金融活動はすべてシャドーバンキングだ、というものだ。オリバーの見方は、シャドーバンキングは商業銀行システムの外にある信用仲介業務だ、というものだ。オリバーのパートナーで大中華エリア業務の責任者を努める盛海諾さんは、「試算によると、2013年の中国のシャドーバンキングの規模は約31兆元(1元は約18.9円)で、一般に考えられている40兆-60兆元を下回る。だが14年についての予測はまだ出ていない」と話す。
実際、シャドーバンキングには主に、金融の営業許可証を交付されたが監督管理が不十分な商品あるいは監督管理を回避した商品、金融の営業許可証を交付されていない商品あるいは監督管理が不十分な商品、営業許可証を交付されておらず監督管理がまったくなされていない信用仲介商品が含まれる。オリバーによると、同社の試算には信用仲介商品以外の商品は含まないという。
盛さんは、「中国のシャドーバンキングはやはり活発だ。中国のシャドーバンキングは主に小規模・零細企業に利用されており、米国のシャドーバンキングが資本市場に関わるのとは異なる。よって中国ではシャドーバンキングのリスクはそれほど大きくないといえる」と話す。
同報告は中国の金融監督管理担当者に対し、監督管理のレベルでもっと努力し、シャドーバンキングのリスクを回避するべきだと提起する。たとえば監督管理の枠組の設計を新たにして監督管理によって利益を得ようとする動きを取り除くこと、商業銀行と銀行ではないシャドーバンキングの活動との間に貸出の「ファイアウォール」を設けること、銀行の貸出の債務を明確にして契約によって制限を設けていないリスクが「満期を迎えての元本と利息の支払い」を通じて銀行にはびこるのを回避すること、銀行ではない機関の貸出の透明性を高めることなどを通じてリスクを回避するべきとしている。(編集KS)
「人民網日本語版」2015年2月4日