中車株洲電力機車有限公司が10日明らかにしたところによると、同社が研究・製造した中国が完全に独自の知的財産権を持つ1本目の商業化3.0バージョンリニア列車が、同済大学高速リニア試験ラインで動的試験とシステム総合調整・試験を行った。これは中国が中速リニアの重要なコア技術を確立し、リニア技術のイノベーション及び産業発展で世界の先頭集団を維持していることを示している。新華社が伝えた。
速度100km/hの1.0バージョンから設計速度が200km/hの3.0バージョンまでの十数年間、中国独自のリニア技術は数回の更新と世代交代を果たした。
レッドをメインの色調に金色の「中国竜」を塗装した3.0バージョンのデザインはスリムで立派な外観をしている。車両内に足を踏み入れると、3.7メートルの幅に6座席が並び、定員が前世代のリニア列車より大きく増えた。
2021年6月21日に撮影された動的試験中の商業化3.0バージョンリニア列車。(新華社)
■見所その1 「陸上飛行」がよりスピーディに
3.0バージョンの設計速度は1.0バージョンの倍に上がった。速度の向上は列車のさらなる軽量化によるものだ。
トラクションモーターは列車の「心臓」と呼ばれる。3.0バージョンの「心臓」は列車の底部から地上に移された。けん引設備を列車に搭載するという従来の鉄道交通の制限が打破された。同社リニア研究所の張文躍副所長によると、列車の軽量化により加速・減速性能及び平均走行速度が大幅に上がった。けん引効率は2.0バージョンより20%、登坂能力は30%上がり、加速時間は半分以下に短縮された。
■見所その2 自動運転がよりスマートに
2022年3月6日に撮影された商業化3.0バージョンリニア列車の運転室。(新華社)
列車の運転室に入ると、張氏は各種計器盤を支える制御システムについて説明してくれた。「3.0バージョンの『耳と目』は5G高周波ミリ波ワイヤレス通信技術で、耐干渉性が高く、伝送効率が高い。列車は地上運行制御システムによって制御され、オンラインのコンディションモニタリングやビッグデータ分析などの技術により、車両、鉄道、給電、運行制御などのマルチシステムの故障の自動予測、自己診断を実現することによって自動運転の安全性と信頼性を保証する」と張氏。
■見所その3 騒音除去・耐風でより快適に
2016年に開通した長沙リニア快速ライン、運行列車は商業化3.0バージョン。(新華社)
1.0バージョンと2.0バージョンが接触式給電を採用していたのと異なり、3.0バージョンは車載直流モーター非接触給電を採用。低速・静止時にワイヤレス伝送による非接触給電が可能で、給電中の抵抗と騒音を完全に除去した。完全に非接触の給電を実現し、乗車の快適性を高めた。
3.0バージョンには自動適応機能を持つアクティブステアリングコントロールシステムが搭載されている。そのカーブ通過速度は2.0バージョンより15%超、耐横風能力は少なくとも2レベル上がっている。過酷な環境における運行の適応性と安全係数がより高くなっている。(編集YF)
「人民網日本語版」2022年3月11日