川劇の稽古に励む5歳の男の子が話題に

人民網日本語版 2022年06月07日10:26

四川省成都市にある四川省川劇院では、華華くん(5)が師匠の指導の下、棒を操る練習をしていた。父親の周正華さん(31)はその横で、華華くんを励ましながら、スマホでその様子を撮影していた。周さんはここ3年、川劇のけいこに励む息子の日常を記録して、ショート動画プラットホームに投稿し続けており、400万人以上のフォロワーを集めている。中国新聞網が報じた。

決めのポーズの稽古をする華華くん(写真提供・周正華さん)。

周さんは父親の影響で四川省の伝統芸能・川劇を学ぶようになって20年以上になる。「華華は2、3歳の時から、僕が家の中に飾っている刀や槍、剣、棒を目にしており、興味を抱くようになった。そこで最初はまず一番簡単な肩や腰、股のストレッチから始めて、側転や前転、倒立などを教え、今では、刀や棒といった武具の操り方を練習するまでになった」という。そして、華華くんが師匠の指導を受けながら、系統的に川劇を学べるようにと、宜賓市から成都市に今年引っ越したという。

中国の伝統演劇では、基本動作をしっかりと身につける必要があり、「舞台で一分演じるためには、10年の稽古が必要」とさえ言われている。そして芸術家たちは数十年かけて、目つきから、指先の動きまで一つ一つを突きつめていく。周さんは、素晴らしい伝統文化を好んで見るのは一部の人々だけという現状が残念でならないという考えから、多くの人の間で大人気のショート動画を通して、親子で川劇の稽古に取り組む様子を投稿するようになった。「息子の聞き分けが良い一面だけでなく、稽古を嫌がったり、わがままを言ったりする一面も紹介している。川劇を学ぶことは、他の事と同じで、やすやすとマスターできるものではないから」と周さん。

ネットユーザーの間で人気を集めるようになると、周さんは華華くんに生じ始めた心理的な変化に特に気を配るようになったという。「注目され始めた頃、華華はちょっと天狗になっていた。それで寝る前にしている父と子のお話を通じて、『僕たちは一歩一歩努力してみんなに知ってもらえるようになった普通の人に過ぎない。他の人に敬意を払わなければならず、人を見下してはいけない。さらには自分が背負っているものを粗末に扱ってもならない』と教え諭した」という。こうして華華くんは少しずつ、天狗になりそうな感情を、稽古の原動力に変えることができるようになったという。

「川劇の稽古で大変だと思うことは?」という質問に、華華くんは顔を上げ、「横開脚はもう痛くないけど、前後開脚はまだ痛い。でも、川劇の稽古が大好きなので、全ての動きを練習したい」と話した。周さんは、華華くんが川劇の稽古をするようリードするコツについて、「息子が壁にぶつかって諦めそうになっている時には、『変臉』や『火を噴く』といったとっておきの技を見せて息子の興味を引き、頑張って続けるよう励ましている。そうすることでだんだん引き込まれていく」とこっそり教えてくれた。

基本動作の練習をする周正華さんと華華くん(写真提供・周正華さん)。

周さんは川劇文化の伝承の過程を木の生長に例え、「息子が将来、どれほどの高さと枝を伸ばした木になれるかは、彼自身の選択と努力にかかっている。有名になったり、主役を張るようになったりすることよりも、息子が優れた人格を身につけることをより望んでいる。息子が自分は何をして、何をしなければならないのかをきちんと理解できなければ、本当の意味で川劇を受け継ぐことはできないから」と語った。(編集KN)

「人民網日本語版」2022年6月7日

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