中国初の総合的太陽探査専用衛星「先進宇宙太陽天文台(ASO-S)」は10月に、酒泉衛星発射センターからタイミングを見計らって打ち上げられ、太陽という熱い恒星の探査の旅を展開する。この宇宙科学衛星の中国語の愛称を即日から7月24日までオンラインで募集する。科技日報が伝えた。
ASO-Sは重さ888キログラムで、研究・製造期間は5年以上、地表から720キロメートル離れた太陽同期軌道を周回し、設計寿命は4年以上、「1磁2爆」を科学目標とする。「1磁」とは太陽磁場のことで、太陽活動の大半が直接的に太陽磁場の支配を受ける。「2爆」とは太陽における2種類の最も激しい爆発現象、すなわち太陽フレアとコロナ質量放出のことだ。
ASO-Sは太陽活動の第25周期ピークを利用し、太陽フレア、コロナ質量放出、太陽全表面磁場ベクトルを同時に観測し、「1磁2爆」の起源、相互作用、相互関係を研究することにより、人類の正常な生活に深刻な影響を及ぼす宇宙災害レベル気象の予報をサポートする。
ASO-S衛星首席科学者で、中国科学院紫金山天文台研究員の甘為群氏によると、ASO-Sには3台のペイロード、すなわち太陽全表面磁場ベクトル測定器、ライマンアルファ太陽望遠鏡、太陽硬X線イメージャーが搭載される。近地球軌道衛星プラットフォームによる太陽全表面磁場ベクトル、太陽フレア非熱的放射イメージング、コロナ質量放出の太陽表面形成及びコロナ周辺伝播の同時観測を初めて実現するとともに、ライマンアルファ線の太陽全表面及びコロナ周辺の同時観測を初めて実現する。
ASO-Sは軌道に入った後、一日当たりおよそ500GBの探査データを生成する。衛星のすべての科学データ及び分析ソフトウェアを世界のユーザーに向け開放し、ASO-Sの科学目標を共同で実現する。(編集YF)
「人民網日本語版」2022年7月12日