今年6月以来、北半球の多くの国が熱波に見舞われている。英国やフランス、韓国などでは「異常高温警報」が発令され、日本や米国の多くの地域で観測史上最高気温を記録している。専門家は、今年の夏の北半球を襲う熱波の原因について、「気候変動」を挙げ、自己管理を強化するよう呼びかけている。新華社が報じた。
2022年6月17日、英国ロンドンのある丘で日光浴を楽しむ人々(写真提供・新華社)。
異常な高温に
英国気象庁は15日、最高レベルの「異常高温警報」を初めて発令した。同庁は、ロンドンを含むイングランドの大半で今週初めに極度の高温になり、最高気温が40度に達する可能性もあると予想し、80%の確率で英国の史上最高気温を記録するとしている。現時点で、英国で観測された最高気温は2019年7月25日に、ケンブリッジ大学の植物園で観測された38.7度となっている。
フランスの気象当局は、12日から10日間にわたって高温が続き、7省で「オレンジ」アラートが発令され、数十省で「イエロー」アラートが発令されている。
7月1日、湖岸線が後退している米国ネバダ州内ピラミッド湖。米国西部では高温と干ばつが続き、湖水が低下。
北アフリカの熱波が8日から欧州南西部のイベリア半島に襲来し、ポルトガルとスペインでも連日の高温が続いていることに加えて、まれに見る干ばつとなっているため、両国では山火事が頻発している。
韓国行政安全部は2日、全国のほとんどの地域を対象に、オレンジ色の高温警報を発令した。昨年よりも18日早い同警報の発令となった。
高気圧の影響を受け、日本のほとんどの地域でも6月下旬以来、気温が急上昇しており、東京でも高温が続いている。そして、全国にある914の観測点のうち338地点で6月の過去最高気温を記録した。
米国南西部の地域も6月中旬に熱波に見舞われ、多くの地域が最高気温を更新した。アリゾナ州フェニックスでは6月11日、最高気温が46度に達し、同日の1918年以来最高記録を更新した。
異常高温が続く原因は?
英国気象庁の科学研究者は、「気候変動が原因で、世界的にも未曾有の異常気象となっている」との見方を示す。また、英国イースト・アングリア大学の気候変動学教授も、「気候変動により、世界的に異常な高温が頻発している。気候変動の速度は、人類社会の適応行動よりも速い」と指摘している。
2022年6月26日、通行者の暑さ対策のためミスト装置が取り付けられている日本の歩道(撮影・張笑宇)。
世界気象機関(WMO)は、「気候変動の影響で、さらに強烈で異常な高温が今後、一層頻発するだろう」と警告している。WMOのクレア・ヌリス報道官も最近、「温室効果ガスの排出が引き続き増加すれば、世界の温暖化はさらに悪化するだろう。今経験していることは、今後の予兆に過ぎない」と警告した。
国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)がこれ以前に発表した報告では、「地表温度の上昇は、過去2000年間においてこの50年が最も急速なペースだった。気候システムは不安定で、今後も悪化するだろう」と警告している。(編集KN)
「人民網日本語版」2022年7月18日