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夏の盛りに、新型コロナウイルス感染症の対策状況が好転を続けるに従って、人々の間で夜に外出してレジャーや娯楽を楽しみたいという意欲が目に見えて高まり、密かに復活したナイトタイムエコノミーとレベルアップした新たな「ナイト業態」が、経済社会の発展を牽引する重要なエンジンになっている。
感染症の影響を受けて、今年上半期に飲食産業は非常に大きな打撃を受けた。それが今では、夜のとばりの中で大規模商業圏がそれぞれに昔の賑わいを取り戻し、複数地域の政府が消費を促進する政策を打ち出した。今年6月、浙江省は国家級の夜間文化・観光消費集積エリア4ヶ所を建設する計画を打ち出し、湖北省武漢市は夜間のライトアップショー、グルメイベント、ビール祭り、音楽フェス、特色あるパフォーマンスなど夜の文化・観光イベントの開催を打ち出した。7月には北京市が「ナイトタイムエコノミー発展措置」第3弾を発表した。
北京を例にすると、「北京消費シーズン・夜の首都2022」イベントがスタートして、総額1億元(1元は約19.8円)の飲食消費券が配布され、北京の夜の外食消費が急速に回復しつつある。デリバリープラットホーム「美団」のデータでは、北京で店内飲食が正式に復活して以降、6月6日-7月18日の夜間店内飲食の注文量は前期に比べて大幅に増加した。7月になると、北京の夜間消費が盛況で、夜間の飲食注文量が一日の注文量全体に占める割合は48%に達した。
モバイルバッテリーサービスの利用データもナイトタイムエコノミーの急速な回復ぶりを裏付けている。データを見ると、過去1週間近くの北京エリアの夜間注文量は前期比67.4%増加し、日中の52.9%を上回った。そのうちレストランでの利用のアクティブ度が最も高く、夜間の注文増加に対する寄与度は約80.9%だった。
ナイトタイムエコノミーは夜の暮らしを豊かに彩り、オンラインの団体購入・オフラインの消費、24時間リアルタイム小売など新たな消費モデルも夜のニーズを喚起し続け、企業の経営範囲と時間がさらに広がった。統計によれば、7月に入って全国の夜間店内飲食の注文量は前月比19%増加し、成長率は昼間を明らかに上回った。デリバリーを通じた日用品、生鮮食品、雑貨などのリアルタイム小売の夜間注文量も目に見えて増加した。
生鮮食品や野菜からパンや飲料品まで、電子製品から化粧品や日用品まで、ますます多くの商品がリアルタイム配送方式で消費者の手元に届けられるようになった。デリバリープラットフォームのデータでは、「90後(1990年代生まれ)」が夜間リアルタイム小売の中心になり、注文量で55%も占め、「00後(2000年代生まれ)」の注文量の成長率がより高く、7月以来の前期比成長率は17.6%だ。こうしたことから、リアルタイム小売がオンラインとオフラインを融合させ、消費者の円滑化や即時性へのニーズを十分に満足させる新たな小売業態として、今ではナイトタイムエコノミーの勢いある発展を力強く補完するものであることがわかる。
調査会社の艾媒諮詢のデータでは、今年の中国のナイトタイムエコノミーの規模は40兆元を突破すると予測され、ナイトタイムエコノミーを発展させることで企業は真に価値のあるものをもたらすいう。中国調理協会の呉穎副会長は、「消費ニーズが夜間の営業時間の延長をもたらし、店側の収入が軒並み増加した。感染症の対策状況が全体として好転し、各種の優遇政策の力強いサポートにより、外食産業を代表とするナイトタイムエコノミーが再び輝きだし、業界の発展とレベルアップの可能性もより大きくなった。社会経済の秩序に強靱さがあり、保障されていることを基礎として、中国の消費市場は引き続き大きく成長する可能性を秘めている」と述べた。(編集KS)
「人民網日本語版」2022年8月5日