湖北省の荊州博物館には、中国で現在までに発見された中で最も古い根彫刻作品「辟邪」が収蔵されている。1982年に戦国時代の馬山一号楚墓から出土したもので、長さが69.5センチメートル、高さが40.5センチメートルある。
この根彫刻の頭部は平たく、その頭はトラ、身体は竜のようで、全体としてはヤモリのような形状をしている。四肢は竹の節状になっており、長さがそれぞれ異なり、不揃いな三本の足で身体を支え、一本の足を浮かせて歩き出しそうな様子に見える。足にはそれぞれヘビ、トカゲ、鳥、セミの模様が雕刻されている。これは、ヘビがトカゲを食べ、トカゲが鳥を食べ、鳥がセミを食べるという食物連鎖を示しており、古代にこの根彫刻作品が作られた頃、人々が素朴ながらも尊ぶべき自然に対する意識を持っていたことが見て取れる。
この作品は中国の根彫刻芸術品の始祖として褒め称えられており、当代中国根彫刻協会のシンボルマークの原型でもある。(編集AK)
「人民網日本語版」2022年7月28日