疲れている時にお風呂に入り、シャワーを浴びたり、湯気の立つバスタブに浸かったりしていると、知らぬ間にインスピレーションがどんどん湧き出てきたという経験をしたことはないだろうか?生命時報が報じた。
「世界シャワー調査白書」によると、72%の人が「シャワーを浴びている時に新しいアイデアがひらめいたことがある」と答え、27%の人が「シャワーを浴びている時に、インスピレーションが湧き出た」、40%の人が「シャワーを浴びるとイノベーション思考が刺激される」と答えた。
アメリカ心理学会傘下の雑誌が先ごろ発表した研究結果によると、シャワーや散歩といった適度な活動をすると、創造的な思考になりやすいのだという。
お風呂に入っている時、脳は何をしている?
神経科学の観点からみてみると、脳にはデフォルトモードと仕事モードの2つの状態がある。
◎リラックスモードに
お風呂に入っている時、脳はデフォルトモードに切り替わる。仕事モードと比べると、デフォルトモードの時は安静状態で、脳はリラックスし、活動は自発的になる。そして、集中力は低くなり、脳は自由に遊んでいる状態になる。
◎記憶の整理
私たちは自分について考えたり、過去のことを思い出したり、将来について考えたりするもので、心は活発に活動している。また、日常生活におけるいろんな断片的な記憶を整理したり、大量の短期記憶情報を処理したりする。すると、ニューロンは規則正しく、調和がとれた状態で活動するようになり、統一された単位を形成し、大量の神経連結が構築される。
◎外部の情報をたくさん収集
デフォルトモードに入ると、脳は外部の情報を敏感に収集するようになる。これらの要素が重なって、脳は自由に活動し、アイデアがどんどん湧いて来るようになるという。
一方で、何か目的のあることをしている時、脳は仕事モードに入る。
この時は、集中力が一気に上がり、仕事モードの活動水準が高くなり、一方のデフォルトモードの活動水準は低くなる。そうなると、脳はあれこれ考えることができなくなり、創造的な思考は消えていく。
お風呂にはメリットがたくさん
インスピレーションを与えてくれるほかにも、お風呂に入ることにはいろんなメリットがある。
例えば、血液循環が促進されること。温かいシャワーを浴びたり、お湯に浸かったりすることの直接的な効果は、血液循環が促進されたり、新陳代謝が良くなったりすることで、とてもスッキリとした気分になることができる。
また、睡眠の質を改善することもできる。「睡眠医学レビュー」に掲載されたある研究結果によると、睡眠の質改善には41度のお湯が最も効果的だ。寝る前に温かいシャワーをあびると、体温が上がった後、また自然に下がり、体が睡眠モードに入りやすい。そのため、不眠症の人は寝る30分から1時間前にお風呂に入るのが最適だ。
さらに、シャワーを浴びると、「幸せホルモン」も分泌される。シャワーを浴びる時は、暖かく、狭く、安全な場所にいることになり、体を洗うと、ストレスも「洗い流す」ことができる。リラックスすると、脳はドーパミンを放出し、創造力が高まり、気分も良くなる。 (編集KN)
「人民網日本語版」2022年11月23日