「革は触るととても心地よく、温かみがあり、まるで義理堅い友達のようだ。革絵の制作を通して、何事にもコツコツと一生懸命に励む精神を伝えることができると感じている」。内蒙古(内モンゴル)自治区の無形文化遺産・蒙古族革絵(トゥメト革絵)の代表性伝承人である雲成義さんは取材に対し、こう語った。人民網が報じた。
トゥメト革絵は、遊牧文化を表現するアートの一つで、動物の革を主な原料とし、彩色には天然顔料も用いる。彫刻刀で革を彫り、絵を描き、凹凸をつけ、彩色し、飾りを埋め込むという6つのステップがある。焼き付けや成形、表装といった65の工程はいずれも手作業で行われ、テーマには人物や動物、歴史的な出来事などがある。蒙古族の伝統文化を研究するうえで、重要な参考価値がある文化遺産だ。
美しく仕上げられたトゥメト革絵。撮影・人民網劉寧
無形文化遺産の発展をバックアップするべく、内蒙古自治区呼和浩特(フフホト)市は、無形文化遺産と観光を融合させた発展に取り組んでいる。そして、それを伝承する仕組みを構築し、無形文化遺産と観光業を融合させた、バラエティー豊富で多種多彩な内容の活動を展開している。さらに、「無形文化遺産+観光」、「無形文化遺産+文化クリエイティブ」、「無形文化遺産+デザイン」といったスタイルで、伝承人のために伝承の仕組みを構築し、無形文化遺産が現代の生活に溶け込むよう促している。
雲成義さんはこれまでに、内蒙古自治区代表として、ドイツやスリランカ、フィジーといった国を訪問し、国際文化交流イベントに参加し、世界に向けてトゥメト革絵をPRしてきた。文化の伝承という責任と使命について、雲さんは、「後継者がいなければ、発展し続けることはできない。政府のバックアップと私達の努力を通じて、一人でも多くの若者が無形文化遺産を理解し、愛するようになることを願っている」と語る。(編集KN)
「人民網日本語版」2022年12月15日