(資料写真 新華社より)
甘くておいしい黄桃の缶詰は、多くの中国人にとって子供の頃の思い出だ。病気になると、普段はあまり食べない黄桃の缶詰を親が買ってきてくれて、それを食べるとうれしくなり、病気も吹っ飛んでしまったような気分になったことを覚えているという人も多いだろう。そして、「黄桃の缶詰を食べると病気が治る」というイメージが頭にインプットされている人も多いかもしれない。では、黄桃の缶詰には本当にそんなにすごいパワーがあるのだろうか?
解放軍総病院第8医学センター栄養科の左小霞主任は取材に対して、「黄桃にはビタミンC、ビタミンB族,ベータカロテン、リコピンなどが含まれており、新陳代謝を促進し、免疫力を高める効果がある。黄桃に含まれている亜鉛やセレンなどのミネラルは、他のモモよりも多い。さらに、黄桃にはカリウムもたくさん含まれている。カリウムは気分を良くする元素の一つだ。その他、黄桃に含まれているクエン酸やリンゴ酸を食欲のない時に取り入れると、食欲が刺激され、食べ物を口にすることができるようになる」と説明した。
ただ、山西医科大学第2病院呼吸・重症医学科の高暁玲副主任は、「黄桃の缶詰は発熱や咳の特効薬というわけではない。ストレスが溜まっている時にケーキを食べたり、ミルクティーをたくさん飲んだりするのと同じで、『精神安定剤』のような効果があるという意味合いが大きい」とし、「果物は薬の代わりにはならない。新型コロナウイルスに感染したと診断されたなら、薬を科学的に使って治療しなければならない。症状が重くなった場合は、できるだけ病院に行き、医師の指示に従って科学的根拠のある治療を受けなければならない。特に、咳が出る場合は、黄桃の缶詰のような甘いものを食べると悪化する場合がある」と注意を呼び掛けている。 (編集KN)
「人民網日本語版」2022年12月12日