中国の預金残高が多いのはどこの都市?

人民網日本語版 2022年12月14日15:59

最近、各地の統計当局が2021年末時点での都市別市民預金残高データを相次いで発表した。それによると、中国には預金残高が1兆元(1元は約19.5円)を超える都市が14ヶ所あるという。

預金残高が1兆元を超えた14都市は上から順に、北京、上海、広州、重慶、深セン、成都、天津、杭州、蘇州、西安、武漢、瀋陽、南京、仏山だった。そのうち北京と上海の残高はどちらも4兆元を突破して、全国の他の都市を大きく引き離した。2位の上海の残高は3位の広州より1兆8千億元多かった。

中国社会科学院都市発展・環境研究センターの牛鳳瑞研究員は取材に、「北京と上海の市民の預金残高が他の都市を上回った主な理由は、両都市は人口が多く、高所得層が多いからだ。北京と上海は中国の2大超大都市であり、人口はどちらも2千万人を超える。国家統計局のデータによると、都市部の非民間企業で働く人のうち、平均年収が最も高い3業界はそれぞれ、情報伝達・ソフトウェア・情報技術(IT)サービス業、科学研究・技術サービス業、金融業だった。北京と上海はこうした高収入の業界が最も集中するエリアであり、賃金の高い仕事が多くある」と説明した。

北京と上海に続くほかの都市は、都市間の開きが小さかった。3-5位の広州、重慶、深センの預金残高はいずれも2兆元を超え、続く6位の成都は1兆9千億元。3位の広州と4位の重慶の差は911億元、4位の重慶と5位の深センの差は1406億元だった。

注目されるのは、預金残高が1兆元を超えた都市には複数の北方地域の都市が含まれていることだ。また石家荘と鄭州の預金残高はいずれも9800億元を上回り、1兆元まであと少しだった。1人当たり預金残高でも、北京、太原、瀋陽、天津、大連など北方地域の都市が上位に並んだ。

1人当たり預金残高の多さは、1人当たり資産額の多さを意味しない。前出の牛氏は、「東南沿海部の先進地域の市民には資産の多様化が見られ、たとえば投資ムードが活発なことから、一般的に金融資産を持つ市民が多い。東南沿海部は不動産価格が高く、支出額も多い。また1人当たり預金残高は市民の投資の傾向と関連がある。例えば、預金を志向する人が多い都市ほど、1人当たり残高が多くなる」と述べた。(編集KS)

「人民網日本語版」2022年12月14日

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