お茶の入ったポットに、サツマイモやミカンなどのお茶請けを用意し、七輪を囲んでお茶を飲むのが、今、若者に最も人気のある社交・消費の新スタイルだ。
若者の間で「七輪を囲んでお茶」への関心が高まると、茶坊(中国式カフェ)のビジネスも活発になった。現在、複数の茶坊が「七輪を囲むお茶セット」を販売しており、2人用セットと2-4人用セットが主力商品で、1人あたりの消費額は100元(1元は約19.0円)ほどになる。
「七輪を囲んでお茶」は周辺ビジネスにも火を付けた。淘宝(タオバオ)で検索すると、七輪、ティーポット、スタンド、焼き網、固形燃料、木炭など関連商品を取り扱う企業が数百社あり、価格は数十元から数百元までさまざまだ。
茶器と七輪の注文が大幅に増加しているほか、お茶を入れるときに使用する木炭と茶葉の売上も爆発的に増加している。美団のデータでは、2022年11月以降、老舗企業の称号である「中華老字号」の認定を受けた茶葉のリアルタイム小売注文が10月に比べて45%増加し、前年同期比では82%増加した。
実は「七輪を囲んでお茶」は新しい現象ではなく、古代中国ではすでに行なわれていた。友人同士で集まって、お酒ではなくお茶を楽しむ宴会は、文人や詩人が社交をし、心と心を通わせる象徴的なイベントと見なされてきた。
若者は「七輪を囲んでお茶」が生み出すムードに一般的な中国茶の飲み方よりも魅力を感じている。今や大人気となったこの「伝統的スタイル」は、お茶を入れることで中国の伝統的な暮らしのセレモニー感やムードを醸し出すだけでなく、現代の若者のゆったりした暮らしへの憧れや社交の新場面を求める気持ちにぴたりと合致している。(編集KS)
「人民網日本語版」2023年1月18日