アプリケーションを開く必要も各種カードをひも付けする必要もなく、さっとかざせば食事や買い物ができる。テスト事業実施エリアのユーザーなら誰でも、申請すればこうした機能を利用できる……デジタル人民元のハードウォレットは一般の人々の間で徐々に浸透している。このたびは、中国初のデジタル民元ハードウォレットのセルフ発行機が登場して稼働をスタートした。
中国銀行深セン市支店デジタル人民元専門プロジェクトチームのスタッフの荘毅さんは取材に、「デジタル人民元のハードウォレットには決済が迅速、プライバシー保護やセキュリティがしっかりしている、管理がわかりやすいといった優位性がある。アプリをダウンロードして操作・登録し、コードを読み取るというプロセスに比べ、ハードウォレットなら店舗にあるPOS端末にかざすだけですぐに決済が完了し、非常に便利だという。
深センを訪れた香港市民は香港でよく使われている電子決済手段「八達通(オクトパス)」のアプリを利用すればすぐにデジタル人民元ハードウォレットのカードを申請受領できる。データによれば、カードの発行にかかる時間は平均4.2分だ。カードセルフ発行機が稼働してから3日間で、エリアを越えて深センを訪れた香港市民500人が積極的にカードを申請したという。
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「ソフトウォレット」と「ハードウォレット」について
デジタル人民元(試行版)アプリは中国の法定デジタル通貨であるデジタル人民元が個人ユーザーに向けてテスト事業を展開する公式サービスプラットフォームであり、デジタル人民元の個人向けウォレットの開設と管理、デジタル人民元の両替と流通サービスを提供する。
デジタル人民元を利用する際の媒体形式は、一般的に「ソフトウォレット」と「ハードウォレット」に分けられる。「ソフトウォレット」はモバイル決済アプリ、ソフトウェア開発キット(SDK)、アプリケーション・プログラミング・インターフェース(API)などをベースにしてユーザーにサービスを提供する。「ハードウォレット」は対応するハードウェアデバイスが必要で、ICカード、SDカード、SIMカード、スマホに内蔵されたセキュリティチップ、ウェアラブルデバイス、モノのインターネット(IoT)デバイスなどをベースにしてユーザーにサービスを提供することが多い。(編集KS)
「人民網日本語版」2023年3月3日