2023年の大学卒業生は過去最大規模の1158万人に達する見込みで、雇用の促進がますます重要な位置に置かれている。デジタル経済の発展と消費のモデル転換にともなって、新経済の業態が今の若者の柔軟な雇用のルートを開拓・拡大した。中国政府網のデータによれば、中国の柔軟な雇用の規模はすでに2億人を超えているという。
インターネットの発展にともない、出張シェフとペットの訪問サービスを代表とする「ポイントツーポイント」の訪問サービスの新業態が効率と便利さを追求する中での新たなトレンドになり、そこから柔軟な雇用の新たなルートを見いだした人がたくさんいる。自宅に行って猫や犬にえさをやったり、犬の散歩をしたりするサービスの従事者には、兼業の人も専業の人もおり、自身でもペットを飼っている人も、余暇時間を利用して客の家を訪問してペットサービスを提供する人もいる。趣味と実益が結びつき、個人事業者の中には月収が1万元(約19万7千円)に達する人もいる。
柔軟な雇用は今や新たな雇用を生み出すための重要なルートだ。オンラインを活用したニューエコノミーなどインターネットの新業態が勢いよく発展するにつれ、柔軟な雇用に従事する人が加速的に増加している。データによれば、大学卒業生の9割近くが「柔軟な雇用に従事したい」としているという。ビジネス系のSNS「脈脈」の創業者の林凡さんは、「現在の若者は柔軟な雇用や副業に対する受容性が高い」と述べた。
コンサルティング会社の艾瑞諮詢がまとめた研究報告によると、経済が直面する需要の縮小、供給への打撃、予想の弱まりという三重の圧力は中長期的に存在し、大学卒業生の規模は毎年過去最多を更新している。こうした要因が相まって大学卒業生の就職にかかる圧力が増大し続けている。同時に、デジタル経済の勢いある発展がますます多くの新しい職業を生み出しつつあり、大学卒業生の雇用を促進する各種の政策が集中的に打ち出され、複数のルートで職業やポジションが新たに生み出されている。
林さんは、「デジタル経済の時代には、生産力ツールの進化が新しい職業や新しい業種をもたらすことにより、新しい労働関係を生み出すことになる。従来の雇用関係が『安定』を求めていたのと異なり、新型の雇用関係はより『柔軟』だ。企業と従業員は直接の雇用関係ではなくなり、第三者プラットフォームを通じて結びつき、三者による協力関係を形成するようになる可能性がある。従業員はプラットフォームに雇用され、プラットフォームは企業にサービスを提供する。プラットフォームの中で、従業員は複数の企業の中から多様な選択をすることが可能になり、企業はより効率的、低コストで人的資源を調整できるようになる」とも述べた。
また林さんは、「将来は、企業の業務における中・短期間のプロジェクト、人材の募集、チームの結成はプラットフォームで行なわれるようになるだろう。一方で、メタバースオフィスの応用により、労働力という資源の選択を世界規模で行なうことが可能になる。このことが弾力的な雇用関係が生まれる可能性をさらに高めた」との見方を示した。(編集KS)
「人民網日本語版」2023年3月1日