学校と社会の橋渡し役ともなる大学に通う大学生は、初めて自分の時間を自由に使うことができるようになる。しかし、自由に使えるといっても、勉強や交友、睡眠に当てる時間も必要で、うまく管理するというのは難しいかもしれない。
複数の機関からなる研究チームは最近、学期前半の睡眠時間が、大学新入生の学期末の累積評価平均値 (GPA)に与える影響を初めて評価した。研究者がスマートウォッチ・Fitbitを使って睡眠を追跡したところ、学生の睡眠時間は平均 6.5時間だった。そして、睡眠時間が6時間未満になると、マイナス効果が蓄積され始め、成績が目に見えて落ちていた。その他、睡眠時間が1時間減るたびに、学期末のGPAが0.07ポイント低下したことが明らかになった。同研究結果は2月13日付けの「米国科学アカデミー紀要(PNAS)」に掲載された。
睡眠ガイドが推奨する青少年の睡眠時間は8-10時間となっているが、多くの大学生は睡眠が不規則で、睡眠が不足しているという問題を抱えている。
研究者は、「睡眠時間が6時間未満になると、大量の睡眠負債が蓄積され始める。学生の健康や学習習慣を損ない、最終的に全体に危害が及ぶ可能性がある。どんな対策を講じても、その影響を取り除くことはできず、継続的に影響が続くという点に、最も驚かされる」と警鐘を鳴らしている。
動物を使った研究では、日中に形成された記憶は睡眠中に強化されることが分かっている。しかし、正常な睡眠パターンが崩れると、日中に学んだ内容を忘れてしまう可能性がある。同研究は睡眠が人間の学習や記憶に与える影響を論証しており、大学一年生の学期前半の睡眠時間が短くなるほど、学期末のGPAが低くなることを示した。(編集KN)
「人民網日本語版」2023年3月1日