かつては木の枝とゴムで作り、多くの人が子供時代に遊んでいたゴムパチンコが今や、「スリングショット」という正式な名称のついた世界的なスポーツ競技になっている。ここ1週間、中国の西部エリアだけでも150人以上が参加するスリングショットの大会が3回開催された。25日と26日に陝西省漢中市城固県で開催された第2回スリングショット大会には、各地から来た選手190人以上が参加。黄色い絨毯のように広がる菜の花畑で的を目指して球を打ち、熱戦を繰り広げた。
昔ながらのゴムパチンコと比べると、スリングショットはよりテクノロジー感にあふれており、Y字型の棹はチタン合金製で、重さは約300グラムと軽いものの、握るとしっかりとしたフィット感がある。そして、50メートル以上、ひいては80メートル以上離れた的を狙うことができる。
では、弾の飛ばし方もゴムパチンコと同じなのだろうか?これはほぼ同じであるものの、より規範化、合理化されている。握り方には、横握り、斜め握り、縦握りがあり、ゴムの引き方にはショートドロー、ミドルドロー、ロングドローなどがある。これらは競技会場の環境や競技内容によって使い分けられる。
中国で2010年に始まったスリングショットが今では全国各地に普及
毎年、大規模なスリングショット大会が5-6回開催されており、個人戦もあれば、団体戦もある。中国人のスリングショットの腕前はどれほど高いのだろうか? 2019年11月に上海で開催された国際チャンピオンシップには、各国の選手500人以上が参加。決勝に残った20人は全て中国人だった。
世界スリングショット協会(WSA)のロゴマーク
2024年には中国でスリングショットワールドカップが開催されることになっている。その大会が窓口やプラットホームとなり、さらに多くのスリングショットプレイヤーが発掘され、競技人口が増えるきっかけになると期待されている。
スリングショットプレイヤーである劉鑫さん(21)は、浙江省寧波市でスポーツ用品店を経営しており、その販売記録の分析によると、近年、スリングショット愛好者は倍増しており、中国全土で定期的にスリングショットをしているプレイヤーは3万人以上に達している。
レジャースポーツの本質は「遊び」であり、今やスポーツとなった「スリングショット」が、70後(1970年代生まれ)や80後(80年代生まれ)の人々の「子供心」をくすぐっているほか、ビー玉遊びも「ペタンク」を始めとする球技の仲間入りを果たし、中国各地で大会が開催されている。アルティメットも同様で、まるくて平たいものを見つけると、どれほど遠くまで飛ばせるかを競っていた子供の頃を思い出させてくれる。(編集KN)
「人民網日本語版」2023年3月29日