习专栏

半世紀以上にわたり年間888回余り上映 「世界の屋根」にある「星空映画館」

人民網日本語版 2023年07月19日10:26

半世紀以上にわたり、歴代の上映チームが「世界の屋根」の高い山や大きな川を越え、寒冷や酸素不足、高い山や険しい道といった困難を克服し、雪の積もる高原地帯に住む人々のために光と影が織りなすストーリーを運んできた。現在、西蔵(チベット)自治区の478の郷・鎮にデジタル映画移動上映チームがあり、同自治区山南市加査県のチームはそのうちの1つだ。人民日報が伝えた。

加査県の映画上映チームは毎年888回の上映を任務とするが、実際には毎年これより多く上映してきた。2021年は900回を超え、観客は延べ1万9000人を超えた。チームのメンバーにとって、映画の上映回数は単なる数字ではなく、果たすべき責任という意味合いがより強い。

人が担いで運ぶ、足踏み式の発電機にフィルム映写機から、電力網による電力供給、デジタルメモリカードにステレオ音響機器といった現在の装置まで、時代が移り変わり、設備が進化する中で、変わらないのは上映チームのメンバーが映画とこの土地に対する深い愛情だ。

この「星空映画館」は都市の映画館と異なり、農村文化ステーション上映ホールとも比べられない。観客は山の地形に合わせて地面に座って映画を鑑賞する。映画館の標準装備である座り心地のいい椅子や優れた音響効果設備はないが、星空の下で映画を見るという独特の体験ができる。

加査県壩郷の虫草採取スポットには、農家・遊牧民が毎年4月にやって来て6月下旬まで滞在する。映画鑑賞は彼らの精神的・文化的生活を豊かにするものだ。携帯電話の電波がうまく届かない場所もあり、人々は集まって映画を見るのが好きだ。上映チーム代表の見参さんは映画を見に来た人々を見かけると、昔からの友人に会ったかのように親しげにあいさつをしていた。

次旦卓瑪さんが住むテントは映画上映スポットから遠いが、映画好きの彼女は時間ぴったりにやって来た。昔に比べ、農牧エリアの娯楽はより豊富になったが、彼女にとっては露天映画には特別な思いを抱き、子ども時代のさまざまな場面を思い出させてくれるという。

遊牧民の尼瑪さんの印象では、虫草採取シーズンに映画が上映されるようになって10年になる。小さい頃は遠隔地の村に住んでいたので、両親は映画を見るために小さい頃の尼瑪さんを連れて1時間の道のりを歩く必要があった。露天映画は、故郷から滅多に外に出ない彼らにとって外の世界を知ることができた。

見参さんは「観客がいればどこでも映画を上映する」といい、観客がいさえすれば、毎晩時間きっかりに露天スクリーンを設置する。「以前は上映の1時間前から設営しなければならなかったが、今は機械を電気につなぐだけで上映できるようになった」という。この仕事に従事した40年余りの間に、映写機が8.75ミリメートルから16ミリメートル、35ミリメートルと変遷し、最後にはデジタルシネマになった映画産業の発展をその目で見てきた。

加査県の映画上映チームには6人のメンバーがおり、いずれも還暦目前の人生の先輩だ。嘉措さんは以前はチームの中堅で、よく標高4800メートルあまりの牧畜エリアで映画を上映していた。長年にわたり移動の多い大変な毎日を送ってきたせいで、リューマチにかかり、膝の関節も大きく曲がってしまったが、今でも映画を上映した日々を懐かしく思い出すという。「当時は馬で設備を運び、遠いところだと60キロメートルも離れていて、徒歩で丸一日かかっていた。上映チームのメンバーは自分の食糧を背負い、自分で食事を作った。担当するエリアには上映スポットが18ヶ所あり、1978年以降、荷物を背負ったり馬の背に乗せたりして、毎月全てのスポットで映画を上映できるようにしてきた」と嘉措さん。

メンバーの索朗多布傑さんは、「最も苦労したのは電気が通っていないことだった」とした上で、「2000年以降、発電機の質がよくなり、映写機も滅多に故障しなくなった。2005年以降は、加査県の郷・鎮に次々と電気が通るようになり、15年になると上映チームは基本的に電気の心配をしなくなった」と話した。

見参さんは、「現在、交通・移動条件が大幅に改善され、村に通じる道で一部の舗装されていないところを除けば、県から郷への道はすべてアスファルト舗装された。自分の家がある加査県から一番遠い上映スポットの壩郷秋巴村までは114キロメートルの道のりで、そのうちアスファルト舗装道路が70%、未舗装の道路が30%を占め、標高が4500メートル以上になる区間もある」と話した。

今では、携帯電話やインターネットが徐々に高原地帯をカバーするようになってきた。見参さんは「情報ルートがますます広がる中、私たちは居住者が比較的多く集まる一部の村を選んで映画を上映している。劇映画でも科学教育映画でも、何でも喜んでもらえる。そして西蔵が題材のドラマだと、観客との距離が縮まりやすい」とした上で、1枚のメモリカードを取り出し、「この中には映画が20本入っている。戦争映画、恋愛映画、SF映画など何でもある。昔なら全く考えられなかったことだ」と話した。(編集KS)

「人民網日本語版」2023年7月19日

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