米国や英国、オーストラリア、ニュージーランド、日本などの大学で今年行われた卒業式で、中国の伝統的なヘアスタイルに髪飾りをつけたり、伝統的なデザインの「雲肩」や伝統衣装の「馬面裙」などを身につけて卒業式に出席する中国人留学生の姿がしばしば見られた。
米国の大学の卒業式に漢服姿で中国の国旗を手に出席したある中国人留学生が最近、ネット上で注目を集めている。漢服姿で卒業式に出席した理由について、この女性は、「人生における重要なイベントで伝統衣装を着ると、誇りを感じられる」とし、「学科で唯一の中国人学生として、普段からクラスメイトたちに中国を紹介するように心がけている」としている。
ある中国人留学生はSNSで、漢服姿で出席したオーストラリアの大学の卒業式で、中国の伝統的な儀礼に則ったお辞儀をして、恩師に感謝を示した動画をアップした。この動画のコメント欄には、あるネットユーザーが「私もその会場にいた。周りの中国人も皆歓声を上げていた」とコメントを寄せており、それに対して投稿者の中国人留学生は、「当然だわ!私自身もとても誇りに感じていたもの!」とレスしている。
オーストラリアの中国人留学生は、伝統的な髪飾りをつけたヘアスタイルで、伝統衣装の「馬面裙」を身につけて出席した卒業式の様子を撮影した動画をシェア。動画の中で教授たちが何人も笑みを浮かべていた様子に、この留学生は「私が着ていた漢服がとても気に入ったのだと思うわ」とした。
なぜ漢服姿で卒業式に出席するのだろうか?留学生たちの思いは、「一人でも多くの人に中国の伝統衣装特有の魅力を感じてもらいたいから」や「漢服の魅力は国境を越える。華麗な中華文化と個性をアピールできるから」、「本当に誇りに感じているから」といったものだった。
漢服だけでなく、少数民族の伝統衣装を着た中国人留学生もいた。例えば、四川省涼山彝(イ)族自治州出身のある中国人留学生は彝族の伝統衣装姿で米国の大学の卒業式に出席した。また英国に留学したある中国人留学生は苗(ミャオ)族の伝統衣装姿で、頭には伝統的な銀飾りをつけて、卒業式に臨んだ。日本に留学するある中国人留学生は、壮(チワン)族の伝統衣装姿で卒業式に出席し、ある雲南省大理白(ペー)族自治州出身の中国人留学生は、白族の伝統衣装姿でタイの大学の卒業式に出席した。
異国の地にいても、生まれ故郷を忘れず、人生の節目となるイベントで、中国の伝統や特色に満ちた衣装を身につけ、それぞれのスタイルで世界に中国を紹介しようとする中国の若者が次第に増えてきている。これは中国人留学生だけが味わうことのできる素敵な瞬間なのかもしれない。(編集KN)
「人民網日本語版」2023年7月7日