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中国は笑いに飢えている?チャウ・シンチー新作がメガヒット (2)

 ■中国人は笑いに飢えている?コメディー映画に沸いた冬

 今年の冬の中国映画界は中国映画の健闘ぶりが非常に目立ったシーズンとなった。中でも前半は「泰◆」、後半は「西遊」と2本のコメディ映画が市場を席巻した。かたや3000万元(約4億5000万円)の制作費で作られた中国大陸部の低予算コメディー、かたや長きに渡り香港・中国映画界のコメディー王として君臨しているチャウ・シンチーのCG大作。共通しているのは笑い・愛・涙にあふれたコメディ映画であることだ。

 この冬のコメディー映画の大ブレイクは、ハリウッドに倣った最近の中国映画の大作化とも深い関係がある。次々と公開されるのはハリウッドに負けじと製作された大規模予算の大作映画で、特殊効果やCGで魅せる映像・アクションに主点が置かれているものばかり。人気監督による作品も武侠アクションや歴史ものが多く、笑いを取り扱ったものは少なかった。長年にわたり笑いと涙にあふれた人情コメディーを公開してヒットを記録してきた、興行収入「不敗伝説」を持つフォン・シャオガン(馮小剛)監督でさえ、映画の大作化に伴い2003年の「手機」以来、2008年に大ヒットした「狙った恋いの落とし方」と2010年の続編「狙った恋の落とし方。2」以外、コメディ映画は撮影していない。

 しかも、かつては1年に何本も楽しめたチャウ・シンチーのコメディー映画も、監督業に専念して以来は寡作となり、今回の新作は2008年の「ミラクル7号」以来5年ぶり。また、今年はフォン・シャオガン監督が、1942年に300万人の餓死者を出した河南省の大飢餓を描いた新作「一九四二」やルー・チュアン(陸川)監督が、死の恐怖にかられる晩年の漢王の劉邦を描いた「王的盛宴」など前評判が高い映画も、あまりにもシリアスで暗い内容のためか思ったほど成績が伸びなかった。

 そういった意味で、この冬に多くの観衆が待ち望んでいたのは、何も考えずに楽しめて、少しホロリとさせられるコメディー映画だったのかもしれない。それに加えて、大気汚染・食品などの汚染問題や、広がる一方の貧富の格差、高まるばかりの物価、周辺国との領土問題など暗い話題が続く中、人々がどれだけ笑いに飢えていたのかがこの数字から見て取れる。(編集MZ)

 *◆は国がまえで上に「八」、下に「口」

 「人民網日本語版」2013年2月28日

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