シャープと鴻海の間に溝 交渉が難航
シャープの株価は2月24日に、2カ月ぶりの低水準を示した。識者は今回の株価下落の原因について、「シャープと鴻海(ホンハイ)精密工業股フン有限公司(以下、鴻海)の交渉がまとまらず、3月26日に出資受け入れ交渉が打ち切られる見通しとなった」と語った。国際金融報が伝えた。
シャープの広報担当者は同情報について、「当社は鴻海との交渉を中断しておらず、出資受け入れについて決定を下していない」と表明した。鴻海の広報担当者の胡国輝氏は、「交渉中で、期限による拘束はない」と語った。
◆提携の溝
シャープは2012年3月に日本で、鴻海に10%の株式を売却することにより、670億円の出資を受け入れることを発表した。これは鴻海が、日本生命を上回るシャープ最大の株主になることを意味する。
シャープが鴻海からの出資受け入れを検討したのは、同社が2011年度に2900億円という巨額の赤字(創立100周年で最大の赤字)を計上したためだ。
しかし両社の提携の情報が伝わってからというもの、その提携にとって不利な情報が絶えず伝えられている。
メディアは2012年12月4日、シャープがクアルコムと資本・事業提携を行う情報を報じた。この情報は、シャープが鴻海に対して「シャープへの出資を希望する第三者が他にもいる」という、強いシグナルを送ったことを意味する。当時市場からは、シャープと鴻海の関係に溝が生じ、両社の交渉が決裂する可能性があるとする声があがっていた。