東アジアの地政学的状況に地震を引き起こしているのは誰か (2)
米国が近年、日本との軍事同盟を積極的に強化しているのも、孤独を紛らわすためではなく、日本により大きな戦略的役割を発揮させるためである。日本の側も単独で中国と闘う力はなく、米国の力を借りなければならないことを分かっており、米国のアジア太平洋回帰の機会を十分に利用している。両者は利害が一致しているのだ。米国は日本が共産主義に対する防波堤から中国の台頭に対する障壁へと転換し、米国の被保護国から自らのアジア太平洋戦略の先棒担ぎへと転換することを望んでいる。したがって、米国に頼って日本を制限しようとするのは、間違いなく一方的な願望であり、的外れな方法だ。
米国の計算は一見緻密だ。第1に、日本の野心を放任することで、日本に自らの国家戦略にとって最大の支持勢力は米国であると感じさせ、極めて大きな満足感を与えることで、より自覚的に米国との協力を強化させることができる。第2に、日中摩擦の拡大は日本の対米全面依存を強めることに資すると同時に、中国の対米依存を強めることにもなる。第3に、日本が中国を完全に圧倒する、あるいは中国が日本に耐え抜くことに成功するのでない限り、日本が容易に東アジアにUターンすることはない。そして現在、前者の状況も後者の状況もまだ出現にはほど遠い。米国の東アジア政策の基礎は地域の安定と中米協力ではなく、中日摩擦をつくりだすと同時に仲裁者を演じ、中日共倒れの中で漁夫の利を得ることだと言える。
だが、これは明らかに極めて危険だ。地域の平和・安定維持の基本的な構造と秩序を深刻に破壊し、中米間の相互信頼と協力を深刻に損ない、東アジアに新たな陣営対立の冷戦構造をもたらす。これに対する中国の態度は依然として一に反対、二に恐れずだ。なぜなら中国の台頭、および自主・平和・協力を基礎とする東アジアの一体化という流れは不可逆だからだ。中国は新たな闘争の中で東アジア安全・戦略共同体を一段と強固にし、拡大することで、安全と発展の空間をさらに拡大するための客観的条件を十分に備えている。(編集NA)
「人民網日本語版」2013年8月14日