日韓両国の「七夕」事情
○日本:「ロマンチックな伝説」は影薄く
日本の「七夕」は、中国の七夕をルーツとしており、「乞巧(手先の器用さ)」の風習・習慣が引き継がれ、一般庶民にとって大切な伝統的祝日となっている。七夕はもともと、陰暦7月7日にお祝いされていたが、明治維新以降、日本では旧暦の使用が廃止され、太陽暦の7月7日となった。
日本での七夕は、「愛情」に関する願い事は行われず、女の子が七夕に手先が器用になるように祈る。毎年、七夕が近づくと、大人も子供も色とりどりの短冊に自分の願い事や詩歌を書き、紙の飾りと一緒に庭先にある笹に吊るす。この風習は江戸時代に始まった。七夕が近づくと、日本全国では、街のあちこちに七夕の笹が登場する。店の夏服販売コーナーやスーパーのレジ前にも、七夕の笹が飾られる。大型七夕イベントの会場では、(願い事を書いた短冊を掛けることから始まった)笹飾りコンテストも催され、現地の幼稚園・小学校など学校団体や企業が、それぞれのオリジナル笹飾りを作って出品する。審査後、最も特色ある笹飾りがいくつか選ばれて展示される。
また、日本の夏は、全国各地で「七夕祭り」が開催される。人々が伝統的な服装を身にまとい、歌い踊り、太鼓を打ち鳴らす。「短冊」がヒラヒラト舞う街は、見物に来た大人と子供でぎっしり埋まる。この「七夕祭り」と一緒に、夏季花火大会が催されるケースも多い。