海外資本が中国から大規模撤退?
最近、海外資本が中国から大規模に撤退し、中国経済の発展に影響を与えるといった言説がやたらに聞こえてくる。本当に大規模撤退はあるのだろうか。撤退は中国にマイナス影響を与えるのだろうか。中国にはまだ外資を引き寄せる力があるのだろうか。こうした問題に答えるため、関連部門、専門家、外資系企業などを取材した。「人民日報」が伝えた。
▽外資の大規模撤退はあるか?
「外資が撤退する減少は確かにみられるが、大規模撤退という結論は導き出せない。海外メディアが中国の投資リスクを故意に言い立てているだけだ」
海外資本は今、中国から大規模に撤退しているのだろうか。この問題について、経済専門家と市場アナリストに取材したところ、どれくらいの外資が中国か流出しつつあるか、流出したかを正確に見極めることは難しい。資本の国境を越えた流動は複雑で、一つの統計基準だけですべてをカバーして把握することはできないという答が一様に返ってきた。
中国外匯投資研究院の譚雅玲院長によると、各種データの中では国際収支表(バランスシート)が国境を越えた資本流動の情況を相対的に正確に映し出すが、中国から流出したのが海外資本なのか国内資本なのかを正確に区別することは難しい。金融危機発生当初、海外で資産価格が低下したため、中国の企業や個人の多くが海外で投資を行うようになり、資本を国外に移すようになったという。
清華大学経済外交研究センターの何茂春主任も、外資が中国から大規模撤退するという説は実情にそぐわないとの見方を示し、「現在の情況から考えて、外資の撤退は基本的に市場運営の規律に合致している。外資の変動は主にリターン率の影響によるものだが、全体としていえることは、中国は引き続き世界で2番目に外資を利用する経済体であるということだ」と話す。
関連データもこうした見方を後押しする。外匯管理局関連部門の責任者が先月22日に述べたところによると、2013年5月以来、米連邦準備制度理事会(FRB)が量的緩和政策を終了するとの観測が徐々に強まるのにともない、国際資本が新興市場から少しずつ撤退するようになったが、中国にはこれまで外資が主体的かつ集中的に撤退する様子はみられないという。