朝鮮半島は悪循環に耐えられない
朝鮮半島情勢の悪化を阻止するには個別の対応と抜本的対応の双方が必要だ。包括的で系統立った問題解決が求められている。
朝鮮による人工衛星「光明星3号」の打ち上げは、朝鮮半島の安全保障上の苦境を明らかにする「定例の動き」に過ぎない。朝鮮は今年すでに衛星を1回打ち上げており、韓米は弾道ミサイルの射程と積載量を引き上げた……衝撃波は循環し、脆弱な情勢は「平穏無事」だった。
朝鮮半島情勢に注目する者はみな、この地がこれまで「変革」の原動力を欠いたことがないことを知っている。理屈は簡単だ。一つまたはいくつかの関係国にとって、永久不変であることは自らにとって最も不利な状態を意味するからだ。たとえ諸々の変化が大きな構造をすぐに打破するには足らずとも、微妙な発展・変化の過程は常に「主導権を把握する」機会を含んでいる。こうした計算と自信が情勢のたゆまぬ悪化、さらには破滅的な結果への憂慮を蝕んでいる。
朝鮮半島には一体どれだけ「動揺しない力」があるのだろうか?「許容範囲ぎりぎりの行動」の境界はどこにあるのだろうか?異なる天性、異なる視点は異なる思考を生み、異なる判断にいたらせる。生死と安危に関わる力比べの中で、「心理戦」での負けを望む者はおらず、自らの潜在力を極限まで発揮することを望む者もいない。ごく一部の「見物人」は他人の不幸を喜ぶ歪んだ心理から煽り立てもする。だが「戦略面の相互疑念」と「対抗戦略」を基に築かれた安全保障構造は永続不能の運命にある。一見最も堅固な「核の均衡」も、二極対峙の冷戦を引き止めることはできなかった。朝鮮半島は悪循環に耐えられない。これは朝鮮半島の安全保障情勢について検討する際に、基本的理性として押さえておかなければならない点だ。