日本の歴史観の後退は国際社会から強く非難されるべき (2)
だが安倍首相は今回、被害国の犠牲者に全く哀悼の意を表さず、その反対に戦場で倒れたり、戦後に異郷で死んだ日本人の「御霊」に対する「哀悼と感謝」の意を政府を代表して特に強調した。どうやら安倍首相が同日靖国神社で最も述べたかった話を、場所を変えて発表しただけのようだ。彼の追悼の主たる対象は、まさしく靖国神社に祀られているいわゆる「英霊」であり、これには海外で戦死した「皇軍」の亡霊や、戦後初期に国外で処刑された戦犯の亡霊が含まれる。だが、第2次大戦中の日本人の原爆の犠牲者、沖縄戦の死者、東京大空襲などでの死者は含まれていない。隣国の被害者が含まれていないことは、なおさらに言うまでもない。
その二、「安倍談話」は1995年の村山富市首相の8月15日の談話に取って代わる第一歩を踏み出した。「村山談話」は「(日本は)植民地支配と侵略によって、多くの国々、とりわけアジア諸国の人々に対して多大の損害と苦痛を与えました。私は、未来に誤ち無からしめんとするが故に、疑うべくもないこの歴史の事実を謙虚に受け止め、ここにあらためて痛切な反省の意を表し、心からのお詫びの気持ちを表明いたします。また、この歴史がもたらした内外すべての犠牲者に深い哀悼の念を捧げます」との部分が柱だ。その後の歴代首相はいずれも「村山談話」の精神を継承すると表明してきた。この点は1998年の「中日共同宣言」にも盛り込まれ、日本政府の国際的約束となった。安倍首相は靖国神社を首相が堂々と参拝できるよう、「村山談話」の見直しを早くから望んできた。今回の「安倍談話」の意図はここにある。
「安倍談話」は、日本維新の会を除く日本の主要野党およびメディアに直ちに批判された。世界反ファシズム戦争勝利68周年にあたる今日、日本政府の歴史観の後退は間違いなく国際良識と国際秩序に対する公然たる挑戦であり、当然日本国民から排斥され、国際社会から強く非難されるべきである。(編集NA)
「人民網日本語版」2013年8月30日