社会科学院が端午節に7日連休を提言
6月12日は端午節だ。7日連続で出勤した後で3日の連休というカレンダーに、インターネットでは不満の声も上がっている。「何で中途半端な3日の休みなんだ。仕事してた方がよい。」カレンダーを見ると似たような休日が今年は何度もある。中秋節の連休は9月19日から21日、国慶節は10月1日から7日だが、国慶節と中秋節の間は6日連続出社し、9月28日に1日休んだ後、29日と30日は再び出社というスケジュールになっている。中国青年報が伝えた。
こうした休暇の計画について、インターネット利用者からは「元旦、清明、労働節、端午節、中秋節などいずれも週末をつぶしている。まるで『挪暇』(借りた休日)だ」とコメントされる。
社会科学院文学所の施愛東研究員は中国の伝統的な祝日を研究する専門家だが、「挪暇」はサラリーマン階級のニーズに合わせたものだと語る。「企業・事業機関には有給休暇があるものの、多くの企業では実現が難しい。それぞれの業務があるために、一人が有給で休むと正常な業務が中断してしまうためだ。そのため法定休日で初めて皆が休日を楽しむことができる。」
施愛東研究員によると、休日は消費を牽引し、人々を休養させる役割を果たすが、伝統的な祝日の由来などは人々に軽視されがちだ。現在では、多くの人がどんな休日でも休みがあることを希望し、頭の中は旅行に出かけて遊ぶことで一杯になっている。実際、伝統的な休日は意義に違いがあるが、現在ではこうした違いは薄れ、休みと旅行だけのためになっている。
中国の伝統的な祝日は農業祭の方式を受け継いだもので、多くは食物と関連するがそれだけにとどまらない。例えば端午節の重要な内容の一つは大掃除で、他にも粽子(ちまき)や餅を食べたり、風呂に入るなどの内容がある。5月は昔は「悪月」と見なされていたため、悪い運気を払うために、大人は雄黄酒を飲み、子どもは朱砂でお化粧し、家の入り口にはよもぎをつるし、家を大掃除する。「端午節はドラゴンボート競技だけでなく、邪気をはらう儀式でもある。ドラゴンボートは魏、晋、南北朝の後に生じたものだ。過去にもドラゴンボートはあったが、端午節イコールドラゴンボートではない。現在、多くの人がこのことを知らずにいる。」
伝統的な祝日は必ず休日にしなければならないのだろうか?施愛東研究員の答えは「イエス」だ。伝統文化が休日となることで伝統を見直すことはよいことであり、伝統的な祝日に時間を割き、一般大衆がイベントを組織して、多くの地方では無形文化遺産が祝日のイベントで披露されている。時間と空間があって初めて民間の記憶は展示される。日常的なものとなって人々は初めて学ぶのであり、こうした精神的な拠り所がなければ、最終的には徐々に消滅するだろう。
「3日の連休は意味がない。ある場所に行ったと思ったらすぐ戻らなければならない。『労働節』の長期連休の復活を強く要求する。」こうしたインターネットでの意見に対して施愛東研究員は語る。「一般人が反対するのは『労働節』のゴールデンウィーク取り消し自体ではない。人々は長期休暇を求めているのだ。国慶節の他にも皆は長期休暇を求めているのであり、清明、『労働節』、端午節などなんでもよいのだ。現在、国家は連休を通じて伝統的な祝日の重視を表そうとしているが、国務院が設定した1年の休日をどのように配分するかが問題だ。『労働節』から清明や端午節などの伝統的な祝日へ振り替えたらよいのだろうか。唯一の可能性は国家の政策の緩和だ。休日を1年に2日増やし、端午節を延長するかどうかだ。」(編集YH)
「人民網日本語版」2013年6月10日